3気筒ターボ4WDの「ヤリスGR-4」は来年1月公開・年央発売か
ラリー・オーストラリアのキャンセルは残念だが、相手が大規模な山火事とあっては致し方ないところ。そこで無理にGR-4を披露しても意味はないので、発表がキャンセルされても誰も文句は言えまい。情報提供筋によれば、当日はWRカーに次ぐクラスとなるR5車両とそのベースマシンとなるGR-4の市販車が披露される予定だったという。
R5は市販車をベースに、1.6Lの4気筒エンジンを搭載。WRカーも1.6のL4気筒だがあくまで専用設計であり、R5では市販車由来の4気筒エンジン・ブロックを使うことが定められている。WRカーほどではないが、改造自由度は比較的高い。新型ヤリスの標準車は3気筒エンジン搭載を前提に設計されているが、ヤリスR5はレギュレーションに合わせて4気筒エンジンを搭載するため、かなりの改造が施されているはずだ。
一方、従来のヴィッツGRMNに代わって市販される新型ヤリスGR-4は、1.5Lの3気筒ターボ+4WDと見て間違いない。ある関係者は「(昔あった)ホモロゲーションモデルを作るつもりで開発した」と語っていたが、あくまで市販車としてのクオリティやメンテナンス性/耐久性を考えれば、競技に焦点を絞ったR5車両のような仕様になるとは考えづらいからだ。
この市販GR-4は、来シーズン半ばから全日本ラリーに投入される計画だという。ヴィッツGRMNに代わっての参戦となるが、ターボエンジンの4WDとなるため国内最高峰のJN1クラスとなり、ライバルはランサーエボリューションやインプレッサWRXとなる。ちなみに、この2大巨頭を制するにはタイヤサイズがカギになると言われているらしい(※WRCの最高峰であるWRカーの投入は既報のとおり2022年シーズンからになる)。
ともあれ、新型ヤリスGR-4は年内の公開を見送り、来年1月に開催される東京オートサロンで披露される可能性が濃厚になってきた。標準車の新型ヤリスは2月に正式発売される予定だが、GR-4(市販バージョン)は同年半ばから量産開始予定だという。ちなみに従来のヴィッツ(ヤリス)GRMNは限定生産車だったが、GR-4は月産1000台前後を国内で生産し欧州にも輸出するカタログモデルとなるようだ。