国交省は高速道路など一定条件下で「自動運転レベル3」を承認

トヨタはレクサスLSをベースとした自動運転実験車「TRI-P4」で、完全自動運転のレベル4をテストしている。また2020年夏頃に、この実験車両での同乗試乗を東京・お台場地区で実施する。
本題に入る前に、改めて自動運転のレベルについて振り返っておこう。自動運転のレベルは1から5までの5段階だ。レベル1は単一機能の作動、レベル2で複数の機能の統合制御、レベル3は一定条件下での自動運転で運転手の監視付き、レベル4は一定条件下での完全自動運転、レベル5で条件なしでシステムの完全運転だ。世界各国の道路交通法ではレベル2までしか容認されておらず、日本がレベル3の実用化に向け、一歩先んじた格好となっている。余談だがドイツでも2017年に自動運転レベル3を法律で容認したが、EUが認めていないため、ドイツ国内限定であってもレベル3は今だに実用化されていない。
自動運転システムの概略はこうだ。自動運転システムの頭脳である演算ユニットはPCのCPUでなく、一般的にグラフィックボードに使用されているGPUである。GPUはCPUよりも瞬間的に、細かな演算が可能だ。具体的には1秒間で1億回以上の演算をこなすとされており、高性能CPUの2~3倍以上に相当する。車体各部のセンサーは、刻一刻と変化する道路状況を膨大な数の電気信号に変え、高性能演算ユニットに伝える。高性能演算ユニットはその膨大なデータを解析し、自車の次の公道を瞬間的に決定し実行していくのだ。
かつてトヨタは世界No.1のシェアを誇るアメリカのパソコンのグラフィックボードメーカー「NVIDIA」と組み、自動運転システムを構築した。トヨタはNVIDIAのGPU技術を、自動運転システムに活かしたと推察される。