10代目も「人と時代の調和」を目指すセダン
アコードは、ホンダの中核モデルとなるセダンだ。初代は1976年に発売され、今回のモデルで10代目にあたるが、いままで日本で販売が途切れることはなく(シビックは日本での販売が一時中断している)、日本で販売されているホンダ車としては最もロングセラーになる。アコード(調和)という車名が示すように、「人と時代の調和」を目指し、クルマの在るべき姿を追求するためにアコードは開発された。クルマの基本価値である「走り」と「人のための空間」を不変のテーマとして、それぞれの時代に合うように姿を変え、つねに新しい価値を提供してきた。
さて、10代目となる新型アコードは2017年10月に米国で発売され、すでに北米、南米、中国、オセアニアなどで販売されている。2018年1月には北米カー・オブ・ザ・イヤーも受賞している。日本でも2019年8月にはホームページで先行公開し、東京モーターショーで参考出品されていたので、実車を目の当たりにした読者諸氏も多いのではないだろうか。
エクステリアは、6ライトのクーペ風スタイルが特徴的。フロントマスクでは、ホンダ セダンの共通モチーフであるクロームバーとLEDライトが際立つ。従来型より55mm伸ばしたホイールベースによりロングノーズ化された低重心なプロポーションのサイドビュー。横基調で薄型デザインのリアコンビランプに絞り込まれたリアエンドなど、磨き上げた走りの性能からイメージを膨らませ、動体としての在るべき姿を追求したスタイリングだ。サイズ的には、全長は現行型より45mm短く、10mm幅広く、15mm低い。
インテリアは、コンサートホールをイメージしたという。インストルメントパネルは、安心感と爽快感を両立させた3層タイプ。フロントピラーの下端を後方に引きスリム化したので、前方視界は広く爽快だ。ゼルコバウッド(けやき)調パネルやプラチナクロームメッキ仕上げのダイヤルやドアハンドルなど、質感は高い。7インチのカラー液晶ディスプレイと組み合わせたアナログスピードメーターやヘッドアップディスプレイも装備する。
本革シートを標準装備した室内は、とくに後席のスペースが従来型より大幅に拡大している。また、後述するハイブリッドシステムを効率的にレイアウトした結果、トランクはハイブリッド セダンとしてはトップとなる573L(VDA)の大容量となった。
パワートレーンは2モーターによるホンダ独自のハイブリッドシステム「e:HEV」を搭載。2L 直4のアトキンソンサイクルDOHC i-VTECエンジンと2モーター内蔵電気式CVTを組み合わせ、リチウムイオンバッテリーと制御用ECUを一体化したインテリジェントパワーユニット(IPU)は、リアシート下に搭載される。リニアで軽快な走りと燃費性能を高いレベルでバランスさせている。
また新世代プラットフォームも採用され、車両重量を50kg軽量化しながら高剛性なボディとしている。全方位に対して、より優れた衝撃吸収・分散構造も実現し、先進の安全運転支援システム「ホンダセンシング」も、もちろん標準装備。後方誤発進抑制機能とオートハイビームを新たに追加している。
グレードは「EX」のみ。車両価格や販売計画台数などは公表されていないが、それは2月下旬と噂されている正式発表日まで待つことにしよう。
アコード EX 主要諸元
●全長×全幅×全高:4900×1860×1450mm
●ホイールベース:2830mm
●重量:1560kg
●エンジン種類:直4 DOHC+モーター
●排気量:1993cc
●エンジン最高出力:107kW<145ps>/6200rpm
●エンジン最大トルク:175Nm<17.8kgm>/3500rpm
●モーター最高出力:135kW<184ps>/5000-6000rpm
●モーター最大トルク:315Nm<32.1kgm>/0-2000rpm
●トランスミッション:電気式無段変速機
●駆動方式:横置きFF
●WLTCモード燃費:22.8L/km
●タイヤサイズ:235/45R18 94W