180Nmでモーターアシストするマイルドハイブリッド「ISG」
2016年1月に発表された第10世代のEクラスが、ビッグマイナーチェンジを受けて2020年夏に欧州で登場することが発表された。メルセデス・ベンツ史上もっとも多くの台数を販売したモデルシリーズ「Eクラス」のうち、まずセダンやステーションワゴンが改良され、その後クーペ、カブリオレに続くという。改良の内容はエクステリアデザインからパワートレーン、運転支援システムなど多岐にわたる。
大きな変更といえばエクステリアデザインの仕様が、アバンギャルドラインとエクスクルーシブライン、AMGラインの3種類に集約されたことだ。従来の標準仕様はアバンギャルドラインに吸収されることになり、また標準仕様のフロントグリル中央にスリーポインテッドスターが飾られるのは初めてのことだという。
デザインは、GLCやGLEなどといったいくつかのSUVモデルに採用されているフロントマスクに準じたものとすることで、存在感とメルセデス・ベンツらしさの統一感を演出。またセダンのテールランプ形状を従来の丸基調から横長の三角形基調へと変更することで、スポーツ感を高めたかのような印象。ただ、ステーションワゴンのテールランプ形状は変わっていないようだ。いずれも内部の光源デザインは、粒子状のリフレクターをちりばめた従来のクリスタルルックではなく、LEDのスタイリッシュなものにかわっている。
パワートレーンでの特長は48Vマイルドハイブリッド「インテグレーテッドスタータージェネレーター(ISG)」が、4気筒ガソリンエンジン(M254)に採用されたことだ。従来の4気筒モデルにもマイルドハイブリッド、「ベルトドリブンスタータージェネレーター(BSG)」が採用されていたが、新型はウォーターポンプやオイルポンプなどの補器類を電動化させたものだ。
エンジン本体で268ps(200kW)を発生してモーターの20ps(15kW)でアシストする、と最高出力だけ見るとすこし心許ないが、最大トルクを見るとモーターは180Nmを発生するという。これだけ大きなアシストがあれば、出足の燃費効率を大幅に改善できそうである。
Eクラスの電動化はISGだけでなく、複数のプラグインハイブリッドモデルの用意もあるというから、こちらも楽しみだ。まずは欧州で2020年夏に発売され、そののち北米や中国市場などで発売されるというが、日本市場への導入時期や車両価格などの詳細は公開されていない。