クルマ好きなら一度は憧れたことがあるだろうスーパーカー。その黎明期から現代までをたどる連載企画。第71回は「レクサス LFA」だ。

レクサス LFA(2010-2012年)

画像: キャビンとシャシは炭素強化繊維(CFRP)製。Cd値は0.31を実現したボディも大半はCFRP製だ。

キャビンとシャシは炭素強化繊維(CFRP)製。Cd値は0.31を実現したボディも大半はCFRP製だ。

レクサス初のスーパーカー「LFA」は日産 GT-Rとともに、21世紀初頭の日本を代表するスーパースポーツカーといえるだろう。開発は20世紀末から始まり、2003年にはプロトタイプが完成。2005年のデトロイト モーターショーでコンセプトカーの「LF-A」がワールドプレミアされ、2007年の同ショーでは進化版を発表。2008年の同ショーではロードスターが発表されるなど、多くのクルマ好きがその発表を心待ちにした。

2009年の東京モーターショーで、満を持して市販モデルの「LFA」が正式発表された。その車名は、プロトタイプ時代は「Lexus Future Advance」の略といわれていたが、市販時は「Lexus F Sports Apex」の略となった。レクサスの「F」シリーズの最高峰モデルを意味している。

LFAは、理想的な前後重量配分48:52を実現するためにトランスミッションとデファレンシャルギアを一体化したリアトランスアクスル構造を採用した。またラジエターは後輪後方の左右に設置されている。シャシはカーボンモノコック、ボディパネルもカーボンファイバーとアルミニウム合金が用いられ、車重は1480kgにおさえられていた。

画像: フロントミッドシップ搭載された4.8LのV10 DOHC「1LR-GUE型」はLFAのために開発された。

フロントミッドシップ搭載された4.8LのV10 DOHC「1LR-GUE型」はLFAのために開発された。

フロントミッドシップ搭載されるパワーユニットは、LFAのために新設計されたV型10気筒 DOHCの1LR-GUE型。バンク角は72度で、V6並みに小型なエンジンは自然吸気ながら最高出力560psと最高出力48.9kgmのパワースペックを発生。組み合わされるミッションは、200ミリ秒という速さでシフトアップが可能な6速ASG(セミAT)を介して後輪にのみ伝えられる。

インテリアではTFT液晶ディスプレイを採用したメーターや、インパネ中央にもマルチディスプレイを備え、安全&快適装備は充実していた。車内に轟くV10サウンドは、ヤマハの音響技術によってチューンされたものだった。

LFAはプロトタイプのLF-A時代から開発テストを兼ねてニュルブルクリンク24時間レースに参戦し、何回かのクラス優勝も果たしている。

乗る者を300km/hオーバーの世界に誘うことができた数少ない和製スーパースポーツカー、レクサス LFAは世界限定500台で生産され、日本ではそのうち約200台が販売されている。プロトタイプで期待されたロードスターは市販されることはなかったが、パレードなどのイベントで、その姿を見られる機会もある。

画像: 写真はサーキット走行を重視した50台限定の高性能バージョン「ニュルブルクリンク パッケージ」

写真はサーキット走行を重視した50台限定の高性能バージョン「ニュルブルクリンク パッケージ」

レクサス LFA 主要諸元

●全長×全幅×全高:4505×1895×1220mm
●ホイールベース:2605mm
●重量:1480kg
●エンジン種類:72度V10 DOHC
●排気量:4805cc
●最高出力:560ps/8700rpm
●最大トルク:48.9kgm/6800rpm
●燃料タンク容量:73L
●駆動方式:トランスアクスルFR
●トランスミッション:6速AMT
●タイヤサイズ:前265/35ZR20、後305/30ZR20
●当時の価格:3750万円

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