NDロードスターでは初となるブラック以外のソフトトップを装着
2018年、東京オートサロンのマツダブースに「赤いソフトトップ」を装着した白いロードスターが展示されていたのを覚えているだろうか。通常ロードスターのソフトトップはブラックカラーのみなので、衝撃を受けたファンも多かったことだろう。そう「幌の色」は、オープンカーの見た目の印象をガラッと変えてしまうほど重要なファクターと言える。正直なところ、「ロードスターにも明るい色のソフトトップも設定してくれたらいいのに」と思っている人も少なくないだろう。そんな思いに応えて登場したのが、NDロードスターでは初となるブラック以外のソフトトップを装着した特別仕様車、それが「レッドトップ」だ。
赤色のソフトトップを備えたロードスターは、引き締まったアスリートのような印象のブラックソフトトップとは一味も二味も異なり、エレガントな雰囲気を漂わせている。赤というよりは、成熟したダークチェリーのような色合いも、そう思わせる要因のひとつなのだろう。また、この色に合わせるように、レザーシートにも「オーバーン(赤褐色)」をコーディネートしている。さらにレザー表皮は特別に「ナッパレザー」を使用することで、よりいっそう上質な坐り心地を実現している。
「レッドトップ」の登場に合わせて商品改良も加えられた
この特別仕様車の発表と同時に車体にも改良が加えられ、リアサスペンションと電動パワーステアリングの制御に綿密なチューニングを施したことで、よりしなやかで上質な走りへと進化している。さらに走行中の静粛性も向上させただけでなく、リアコンソールボックス(キー付)内部の床面に遮音マットを使用したことで、振動で発生する収納物の音を低減させるなど、細かな改良が加えられている。
安全機能面では、「アダプティブLEDヘッドライト(ALH)」を特別仕様車を含めた上級グレードに新採用した。これはフォワードセンシングカメラ(FSC) を使用することで、夜間走行時に前方車や対向車の状況を瞬時に判断し、ヘッドランプの照射範囲や照射部分の明るさを自動的に変化させるシステムだ。
その他に、タコメーターの文字に白印刷を追加し、LEDによる発光と共に発色を改善し、昼間時の視認性を向上させている。ボディカラーでは、ソウルレッドクリスタルメタリック、スノーフレイクホワイトパールマイカ、エターナルブルーマイカ、マシーングレープレミアムメタリックを新設定した。
特別仕様車「レッドトップ」は、2017年12月14日〜2018年3月31日まで、期間限定で発売された。車両価格は「Sレザーパッケージ」と同額(発売当時)の304万5600円(6速MT)/315万3600円(6速AT)と、この特別装備内容で「Sレザーパッケージ」と同じ価格なら、レッドトップを選択しない理由はなかっただろう。さらに期間限定受注ということもあり、レッドトップの希少性は非常に高く、また手放すオーナーも少ないことから、中古車市場ではいまだに高値取引が続いている人気モデルだ。
「レッドトップ」特別装備内容
●ダークチェリーカラーのソフトトップ
●オーバーン(赤褐色)のインテリアカラー
●柔らかく質感の高いナッパレザーシートを採用
●ボディ同色のドアミラー
●高輝度塗装の16インチアルミホイール
2017年12月の改良内容
●リアコンソールボックス(キー付)内部床面に遮音マットを追加
●布シートにシートヒーターを設定(S Special Packageセットオプション)
●サンバイザーに表皮巻タイプを設定(S Leather Package、RS、RED TOP)
●ソウルレッドクリスタルメタリック(新ボディカラー)
●スノーフレイクホワイトパールマイカ(新ボディカラー)
●エターナルブルーマイカ(新ボディカラー)
●マシーングレープレミアムメタリック(新ボディカラー)