クルマ好きなら一度は憧れたことがあるだろうスーパーカー。その黎明期から現代までをたどる連載企画。第117回は「ランボルギーニ ウラカン EVO」だ。

ランボルギーニ ウラカン EVO(2019年-)

画像: エアインテークが大型化されたフロントバンパースポイラー内には、一体型ウイングを備えたフロントスプリッターを備えている。

エアインテークが大型化されたフロントバンパースポイラー内には、一体型ウイングを備えたフロントスプリッターを備えている。

ベイビー ランボとしてヒット作となったガヤルドの後継モデルとして、2013年に発表されたウラカン。ガヤルド同様にフルオープンとなるスパイダーも追加され、通常モデルの駆動方式はフラッグシップであるアヴェンタドールと同様の4WDだが、ハンドリングを重視した2WD(もちろんRWDだ)仕様も登場。そして2017年には軽量化されてエンジンパワーもアップした「ペルフォルマンテ(イタリア語でパフォーマンスの意味)」も登場した。

2019年1月、アウトモビリ ランボルギーニはガヤルドにビッグマイナーチェンジを施し、車名も「ウラカン EVO」と改めた。EVOとは、もちろんエボリューション(進化)の略であることは言うまでもない。

エクステリアは空力性能が向上されており、新デザインのフロントバンパーは一体型ウイングを備えたフロントスプリッターによって空力効率が向上され、エアインテークも大型化された。リアにはスロット付き一体型リアスポイラーが装着され、リアバンパーの上には新スポーツエキゾーストシステムのツインアウトレットがレイアウトされている。アンダーボディも空力を重視した形状とした結果、ダウンフォースと空力効率はマイチェン前より5倍以上に向上している。

パワーユニットは、前述のペルフォルマンテに搭載されていた5.2L(正確には5204cc)の自然吸気V型10気筒DOHCが移植された。パワースペックは、最高出力が640ps、最大トルクが600Nmを発生。ミッションは従来からの7速DCTが継承され、駆動方式も4WD。最高速度は325km/h以上、0→100km/h加速は2.9秒、0→200km/h加速は9秒というパフォーマンスを公称する。

画像: ペルフォルマンテに搭載されていたものと基本的に同じ、640psと600Nmを発生する5.2LのV10 DOHCで4輪を駆動する。

ペルフォルマンテに搭載されていたものと基本的に同じ、640psと600Nmを発生する5.2LのV10 DOHCで4輪を駆動する。

さらに後輪も操舵する4WSも加えたうえで、車両の挙動を状況に応じて的確に統合制御するランボルギーニ・ディナミカ・ヴェイコロ・インテグラータ(LDVI)と呼ばれるビークルダイナミクス制御装置を採用し、ドリフト走行をアシストする。

インテリアでは、センターコンソールの上に8.4インチのタッチスクリーンを備え、マルチフィンガージェスチャーコントロールでコネクティビティが利用できる。また音声操作が可能なマルチメディアシステムも装備する。

2019年のジュネーブ モーターショーでオープンモデルのウラカン EVO スパイダーを発表。電動油圧式のソフトトップは、走行速度が50km/hまでなら17秒で開閉できる。2020年初頭にはパワースペックを610psと560Nmに抑えて後輪駆動としたウラカン EVO RWDを設定。それでも最高速度は325km/h、0→100km/h加速は3.3秒を誇る。さらに同年5月にはRWDのスパイダーも発表された。

ベイビー ランボを継承したウラカンは、EVOに進化してからもバリエーションを増殖し、その地位を不動のものとしている。

画像: リアエンドにはスロット付き一体型リアスポイラーを装着。バンパー上のナンバープレート両脇にツインエキゾーストエンドが備わる。

リアエンドにはスロット付き一体型リアスポイラーを装着。バンパー上のナンバープレート両脇にツインエキゾーストエンドが備わる。

ランボルギーニ ウラカン EVO 主要諸元

●全長×全幅×全高:4520×1993×1165mm
●ホイールベース:2620mm
●重量:1422kg
●エンジン種類:90度V10 DOHC
●排気量:5204cc
●最高出力:640ps/8000rpm
●最大トルク:600Nm/6500rpm
●駆動方式:縦置きミッドシップ4WD
●トランスミッション:7速AMT
●タイヤサイズ:前245/30R20、後305/30R20
●当時の価格:3223万736円

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