受注台数はあくまで目安。発売当時の届出台数で比較
2019年10月に開幕した東京モーターショー2019のダイハツブースで四角くて直線的、そして骨太な軽自動車コンセプトカー「WakuWaku」が展示されていた。当時の発表によると、直ちに市販化へつながるコンセプトモデルではない参考出品だとしていたが、フタを開けてみたら半年後の2020年4月には、クロカンのようなタフさと力強さを持つ軽自動車SUV「タフト」として先行予約を開始するという足の速さを見せた。
この展開の速さはモーターショーでの人気の裏返しだったのかもしれない。近年アクティブなイメージを打ち出した個性派モデルが人気を集めることが多く、タフトの「普通」ではないデザインが明らかになると、それを紹介した記事はもちろんのことYouTubeの動画も注目を集めていた。
そして2020年6月10日に発売されて1カ月経過した7月10日、累計受注台数が1万8000台に達したことをダイハツが発表した。これは月販目標台数4000台の4.5倍にあたり好調さをうかがわせる。
では、タフトと同じカテゴリーと目されているスズキ ハスラーの発売当初の販売実績と比較するとどうだったのか、調べてみた。発売時の社会情勢や発売月、従来モデルの在庫販売など、それぞれ状況が異なるため単純比較できないものの、人気の度合いを測ることはできそうだ。
まずはタフト。ダイハツが発表した1万8000台はあくまで受注台数で、ナンバー登録(軽自動車なので厳密には届出)された台数ではない。そこで全国軽自動車協会連合会が発表している新車販売速報を調べると、6月は5079台の届出となっている。6月10日発売なので月の残り3週間で目標4000台を大きく超えたことになり、またこの台数をひと月に換算すると約7300台とかなり好成績と言えそうだ。
次に最大のライバルと言えるスズキ ハスラー。タフト発売の約6カ月前の2019年12月24日に、従来モデルからキープコンセプトでフルモデルチェンジした2代目だ。カジュアルな軽SUVとして人気を博した初代から好調さは続き、稼働日数の少ない年明け2020年1月で5534台を記録。目標販売台数の6000台には届かなかったものの、決算月の3月に1万台強、タフト発売と同月の6月に8000台近くを販売して堅調さを示している。
この2台を比較してみると、販売の出足はよく似て好調だということがわかる。しかし初月は良くても、ふた月目以降徐々に数字を落としていくケースもみられる。タフトの人気が続くかどうか、半期決算の9月までにどれだけ好調を維持できるかがカギとなりそうだ。軽自動車SUVによる戦いは始まったばかり、まずは7月に台数を伸ばせるのか注目したいところだ。