2005年のフランクフルトショーでデビューしたジープ パトリオットは2007年に日本へ導入された。ジープ初のコンパクトSUVはどんなモデルだったのか。日本上陸を前にアメリカで行われた試乗会からのレポートを振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2007年8月号より)

親しみやすいジープのエントリーモデル

オリジンであるラングラーをアイコンとし、7種のモデル展開を目論むジープブランド。そのボトムにあたるクルマがコンパス/パトリオットとなる。クライスラーの新世代FFプラットフォームをベースにフルタイム4駆を搭載するそのクルマの立ち位置は、日本車勢も数多く属するライトSUVカテゴリーだ。

日本に導入されるのはパトリオットの方になる。全長4420mm×全幅1810mmというそのサイズは、日本でもいまなお人気の高い初代チェロキーに近い。顔立ちはいかにもジープ然としているが、キャビンから後ろのスリークなデザインは図らずもそれを彷彿とさせる。また、フロントフェンダーの張り出し感も適度に抑えられており、昨今のクルマとしては四隅の視認性にかなり優れている点も長所のひとつだ。

インテリアデザインのテイストはいかにもジープらしいものだが、質感に関してはアメリカ車の常でそれほど高いものではない。が、泥を纏うことをいとわないというキャラクターがその些細なネガを巧く薄めてくれる。後席の居住性や荷室の積載性もクラス標準に達しており、このクルマが日常の使い勝手を充分に考慮したことが伺える。

日本仕様のパトリオットは2.4L直4にジャトコ製CVTというパワートレーンで、二段階クラッチシステムを擁する電子制御カップリング式の4駆システムを採用する。多くのライバルが採用するオンデマンド式とは違い、前輪のスリップに関係なくトルクが伝わる方式だ。また、ロックモードを用いれば中低速域において最大50%の駆動力が掛かるプログラムになっている。このあたりがジープを名乗るが上でのこだわりだろう。

さすがにラングラー級の悪路走破性は備えないものの、パトリオットのトラクションはライトSUVとして充分なものだ。低速域の滑り感を抑えたCVTのフィーリングも、悪路に対しての配慮のひとつといえる。

一方でオンロードでの低速時には、アクセルのオンオフによる若干のギクシャク感が伴うが、転がりだしてしまえばフィーリングは悪くない。特筆すべきは静粛性も含めた快適性とロードホールディングの両立にあり、高速道路やワインディングでもストレスを感じることはないだろう。イリノイ州の工場で生産されるこのクルマ、この秋に日本導入の予定だ。(文:渡辺敏史/Motor Magazine 2007年8月号より)

画像: ジープらしい「武骨」ともいえるインパネデザイン。日本仕様のトランスミッションはCVTが搭載される予定。

ジープらしい「武骨」ともいえるインパネデザイン。日本仕様のトランスミッションはCVTが搭載される予定。

ヒットの法則

ジープ パトリオット スポーツ主要諸元

●全長×全幅×全高:4420×1810×1665mm
●ホイールベース:2635mm
●車両重量:1525kg
●エンジン:直4DOHC
●排気量:2359cc
●最高出力:170ps/6000rpm
●最大トルク:220Nm/4500rpm
●トランスミッション:CVT
●駆動方式:4WD
※北米仕様

This article is a sponsored article by
''.