今から20年ほど前、新しい世紀に変わる頃。クルマに対する考え方も変わり始めていた。そんな時代の輸入車ニューモデルのインプレッションを当時の写真と記事で振り返ってみよう。今回は「ボルボ V70 T-5スポーツ」だ。

ボルボ V70 T-5スポーツ(2002年)

画像: スポーツプラス パッケージ装着車では乗り心地が悪化するのではと心配されたが、快適性に関しては遜色はなかった。

スポーツプラス パッケージ装着車では乗り心地が悪化するのではと心配されたが、快適性に関しては遜色はなかった。

ボルボ V70のラインアップで、もっともホットなモデルが「T-5」だ。刺激的な加速力を生み出す、最高出力250psと最大トルク33.7kgmを発生するハイプレッシャーターボエンジンを搭載したT-5は、日本ではこれまでに何回か特別仕様車として発売されている。2000年モデルで500台、2001年モデルで400台が限定販売され、いずれも短期間で完売している。それが、この2002年モデルからは、カタログモデルの「T-5スポーツ」に昇格して、いつでも購入できるようになったのだ。

レザーのスポーツシートやアルミニウムパネル、ルーフスポイラーなどを標準装備し、オーディオも専用チューンされた「プレミアムサウンド オーディオシステム」を装着。さらに、235/40ZR18サイズのミシュランタイヤとメッシュタイプのアルミホイール、それにスポーツサスペンションを組み合わせた「スポーツプラス パッケージ」も設定されている。

T-5スポーツは標準でも225/45R17サイズのタイヤとアルミホイールを装備しているが、今回は足もとのたくましさがいっそう増した「スポーツプラス パッケージ」装着車を試乗することができた。

画像: 最高出力は250ps、最大トルクは33.7kgmとV70シリーズ最強を謳うインタークーラー付きハイプレッシャーターボエンジン。

最高出力は250ps、最大トルクは33.7kgmとV70シリーズ最強を謳うインタークーラー付きハイプレッシャーターボエンジン。

インチアップされて幅も広がったファットなタイヤに加えて、スプリングとスタビライザーに専用チューンを施したスポーツサスペンションの組み合わせとなれば、当然ながら乗り心地はかなり締め上げられたものになっているのだろうと覚悟して乗り始めた。ところが、うれしい誤算というべきか、その予想は見事に外れたのだった。

低速域での乗り心地に関しては、けっして柔らかいという印象ではない。それでも、このクルマはボディ剛性がかなり高く、ボディに入る振動が増したとしても、乗り心地においては不快な印象はほとんど与えない感触だ。ロープロファイル&ワイドなサイズにもかかわらず、ロードノイズは比較的低く、耐ワンダリング特性にも優れているというタイヤのおかげもあってか、あとで短時間だが乗れた17インチの標準モデルと比べても、快適性に関しては遜色はほとんどないというレベルだった。

それでいながら、コーナリングをはじめとする運動性能は格段にアップしているのだから、このパッケージはスポーツドライビングも楽しみたいというユーザーには格好のアイテムだろう。当然ながら、大径タイヤ&ホイールでルックスはぐんとアップする、

このスポーツプラス パッケージの追加価格は、49万5000円。T-5スポーツの車両価格は575万円だから、けっこうな追加になることは事実。だが、V70の中でもT-5を選ぶというスポーツ心があり、それだけの予算を用意している人なら、もう少し頑張ってこのパッケージも装着して欲しい。T-5はそもそもシャープな乗り味のスポーツワゴンだが、このパッケージを装着すると、より輝きを増してくれるからだ。

画像: ルーフエンドに装着されたハイマウントストップランプ内蔵のリアスポイラーは、T-5スポーツには標準装備される。

ルーフエンドに装着されたハイマウントストップランプ内蔵のリアスポイラーは、T-5スポーツには標準装備される。

■ボルボ V70 T-5スポーツ 主要諸元

●全長×全幅×全高:4710×1815×1470mm
●ホイールベース:2755mm
●車両重量:1620kg
●エンジン形式:直5・DOHCターボ・横置きFF
●排気量:2318cc
●最高出力:184kW(250ps)/5200rpm
●最大トルク:330Nm(33.7kgm)/2400-5200rpm
●トランスミッション:5速AT
●タイヤ:225/45R17
●車両価格(当時):575万円

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