1980年代、「クロカン」ブームを支えた4WDが、各自動車メーカーから続々と発売された。この連載企画では、今でいうSUVとは、ひと味もふた味も異なる「泥臭さやワイルドさ」を前面に押し出したクロカン4WDを紹介する。第18弾は「 日産 テラノ」だ。
北米でデザインされた斬新な2ドアスタイルとして登場
斬新なプロポーションは、北米の「ニッサン デザイン インターナショナル」が手掛けた。発売当初は2ドアのみの5ナンバーサイズのみだったが、ライバル車を研究し尽くしたそのデザインには、ライバルたちのデメリットを打ち消すアイデアがたくさん盛り込まれていた。
そのひとつがリアゲートの形状だ。他車が観音開きや上下分割式などを採用する中で、テラノは雨天時の荷物の出し入れに便利な、跳ね上げ式のリアゲートを採用した。さらにリアゲートのガラスは、ガラス部分のみが自在に開閉できるガラスハッチオープナーを採用し、利便性を高めた。
さらに2ドアスタイルにもかかわらず、リアシート横の三角窓はハメ殺しでなく開閉式を採用した。セカンドシートの膝まわりクリアランスも広く、乗員への考慮が伺えた。
オフロード性能のレベルもかなり高かった。それはテラノのベース車には日産の歴史を牽引したとも言えるダットサン4WDのD21型を流用したからだ。