2020年11月15日、 イスタンブール・パーク・サーキットで行われたF1第14戦トルコGPの決勝は、ホンダファンにとっては信じられない展開となった。フリー走行から絶好調で優勝を狙っていたレッドブル・ホンダは自滅のような形で後退、アルファタウリ・ホンダは渋滞から抜け出せないままフラストレーションの溜まる結果となってしまった。なぜこんなことになったのか、ドライバーのコメントをまじえて検証してみよう。

ホンダの田辺豊治F1テクニカルディレクターは、レースを終えて「トルコGP決勝は、スタート前に降った雨のためウエットコンディションでのレースとなりました。レース時にはやんだものの、低い外気温であったこともあり、終了までドライにはならず、徐々に路面の状況が変わる中でタイヤマネージメントなど難しいレースになりました。プラクティス、また予選での感触がよかったレッドブル・ホンダですが、フェルスタッペン選手が6位、アルボン選手が7位と残念なポジションでの終了となりました。アルファタウリ・ホンダの2台は、濡れた路面で走行ラインを外してのオーバーテイクが難しい状況などからポジションアップに苦しみ、ポイント圏外でのフィニッシュとなりました。今シーズンは中東での3連戦を残すのみとなりました。いい形でシーズンを終えられるよう、ここから準備をしていきます」とコメント。ドライバーは次のように語っている。

マックス・フェルスタッペン(レッドブル)

画像: マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)。予選2位、決勝6位。序盤でのスピンで、流れが悪くなった。

マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)。予選2位、決勝6位。序盤でのスピンで、流れが悪くなった。

「とても難しいレースでした。グリッドの偶数列はグリップが低く、スタートがうまくいかずに4番手までポジションを落としました。3番手までポジションを戻すと、コントロールの難しい中でチェコ(ペレス選手)についていこうとしましたが、コーナー出口の縁石の外にあるグリーンゾーンまで出てしまい、大きなスピンを喫しました。ウォールにはぶつからないようにしましたが、タイヤにフラットスポットができたことでピットインせざるを得ませんでした。新しいタイヤに交換して、前に追いつくまではできましたが、パスすることができませんでした。コース上には1つの走行ラインしかなく、そのラインですらもとても滑りやすいという状況で、前のマシンと同じラインしか走れないというのはとてもフラストレーションが溜まりました。また、路面も完全に乾ききってはいなかったので、スリックタイヤに交換することもできず、消耗の早いインターミディエイトで走り続けなければなりませんでした。あとは前方のマシンについていくレースになり、グリップのない中で生き残ろうとトライしていきました。いい一日にはなりませんでしたし、自分たちが意図したようなレースでもありませんでした」

アレクサンダー・アルボン(レッドブル)

画像: アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)。予選4位、決勝7位。一時は優勝の可能性もあった。

アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)。予選4位、決勝7位。一時は優勝の可能性もあった。

「勝利が目指せたと思うので、7位という結果には複雑な気分です。レースウイークを通じて僕らの競争力は高かったので、今日の結果はつらいです。僕らは2台ともスタートがよくなかったのですが、ポジションを上げていき、インターミディエイトに交換したときは素晴らしいグリップがあってとても速かったです。しかし、ペースはとてもよかったものの、2セット目のインターミディエイトに交換してからはグリップがなくなってペースを失い、少し困惑しました。理解しがたい状況ですが、冷静になり、なぜこのようなレースになったのかを分析しなければなりません。今週末はマシンの進化を確認できましたし、トライしたこともとてもうまくいったので、その部分には満足しています。ガレージのみんながすごく助けてくれたので、次のバーレーンでまたそれを再現するのが待ちきれません」

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