「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前の国産車は環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は「トヨタ クラウン マジェスタ」だ。

トヨタ クラウン マジェスタ(2009年:5代目)

画像: グリルなどフロントまわりのデザインは普通のクラウンとは差別化され、ホイールベースも75mm伸ばされている。

グリルなどフロントまわりのデザインは普通のクラウンとは差別化され、ホイールベースも75mm伸ばされている。

フルモデルチェンジによって4.6Lエンジンを搭載したクラウン マジェスタは、トヨタ ブランドのトップモデルであるだけでなく、セルシオからレクサス LSへ単純に乗り換えできない「トヨタ」ユーザーも取り込む意図が込められた、国内トヨタ販売店にとっては期待のかかるモデルだ。その意味ではクラウンのネーミングがサブ化するのは当然で、マジェスタとしての存在感を強く印象づけたい意図が伺える。

マジェスタのプラットフォームはゼロクラウン(編集部註:12代目)から始まったプラットフォームの集大成だ。ただし、もちろん集大成と言うからには、細かい修正が加えられ、さらにマジェスタのためにストレッチされていることがポイントだ。ホイールべースはクラウンから75mm伸ばされて2925mmと、レクサスLSの2970mmに迫る勢いで、クラウンとの差別化は明快だ。

搭載されるエンジンは、燃費と出力を両立させた新世代の1UR-FSE型と呼ばれる4.6LのV8 DOHC。最高出力は347ps、最大トルクは46.9kgmを発生する。レクサス LSは同じユニットながら385psと51.0kgmを発生しているが、マジェスタではエンジンの出力特性を変えてよりフラットなトルクにし、実用燃費のさらなる向上を狙っているため。そのため十分に余力のあるトルク感がある。組み合わされるトランスミッションは、軽量コンパクト、そして滑らかなことで定評のある8速のトルコンATで、燃費向上に貢献している。

画像: 普通のクラウンに比べて立体感のある造形のインパネ。素材も吟味されている。HDDナビも全グレードで標準装備している。

普通のクラウンに比べて立体感のある造形のインパネ。素材も吟味されている。HDDナビも全グレードで標準装備している。

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