ルノーの主力車種とも言えるルーテシア(欧州名 クリオ)が日本市場に導入された。ルノー 日産 三菱アライアンスの新世代プラットフォーム「CMF-B」や先進運転支援システムを採用する一方で、先代で評価された部分は残したという新型の魅力に迫る。(Motor Magazine2021年1月号より)

想像以上に力強い走り。運転支援装備も満足できる

走り出すと、最高出力131ps、最大トルク24.5kgmを発生する1.3L直4ターボエンジンは実に力強く、7速DCTのダイレクト感やパドルシフト使用時の素早い反応も良い。ただ、市街地での乗り心地は少し硬いと感じた。ルノージャポンの担当者によると「試乗車の走行距離は約2200kmなので少し硬さが残っている。もう少し走ればよりしなやかになると思う」とのことだった。

しかし、高速道路で80km/h程度で走ると、乗り心地の硬さは気にならなくなる。ジャンクションのループではロールが適度に抑えられ、むしろ丁度いい。ハンドリングは、直進性が高いので長距離の高速走行でも疲れない。一方、ワインディングでは思いどおりのラインをトレースできる。前述のエンジンとDCT、このハンドリングなら、スポーツ志向のドライバーも満足できるだろう。

ちなみに、走行中のエンジンの回転数は、80km/hでは1500rpm強、100km/hで1900rpm強で、エンジン音や振動などは気にならなかった。このほかに良いと感じたのが、3つのドライブモード(ECO、SPORT、My Sence)のうち、My Sence選択時にハンドルのアシスト力を変更できる機能だ。コンフォート→レギュラー→スポーツの順にハンドルが重くなる。家族で1台を共用する場合などに便利なはずだ。

現代のクルマには運転支援システムも欠かせないが、試乗した「インテンス テックパック」は万全で、ハイウェイトラフィックジャムアシスト(ハンドル制御機能付きACC)や歩行者と自転車検知機能付きアクティブエマージェンシーブレーキ、360度カメラなどを装備。走行中から車庫入れまでサポートしてくれる。

なお、今回は約200km(高速道路が約7割、一般道は約3割)を走行したが、車載燃費計では約18km/Lの好燃費を記録した。奇をてらわない適度にコンサバで上質な内外装と、ひとクラス上の動力性能を持つ新型ルーテシアの総合力は高かった。ライバルがひしめく日本市場でも健闘する実力があると感じた。(文:小泉優太)

画像: 現状ではパワーユニットは1.3Lターボ+7速DCTのみだが、今後BEVも追加される予定だ。

現状ではパワーユニットは1.3Lターボ+7速DCTのみだが、今後BEVも追加される予定だ。

■ルノー ルーテシア インテンス テックパック主要諸元

●全長×全幅×全高=4075×1725×1470mm
●ホイールベース=2505mm
●車両重量=1200kg
●エンジン= 直4DOHCターボ
●総排気量=1333cc
●最高出力=131ps/5000rpm
●最大トルク=240Nm/1600rpm
●駆動方式=FF
●トランスミッション=7速DCT
●車両価格(税込)=276万9000円

This article is a sponsored article by
''.