過去3勝を挙げるなどレッドブルが得意するサーキット
3月にメルボルンでの開幕戦が直前で中止となり、7月からの5カ月半で17戦という超過密スケジュールで行われてきた2020年のF1シーズンも、今週末のアブダビで最終戦を迎える。
前戦サヒールGPでは、王者ハミルトン欠場という異例の事態の中、優勝を狙ってスタートしたホンダ勢は運に翻弄されてしまう形となってしまった。今シーズンは忙しくてハードな1年であっただけに、最終戦は悔いのない戦いをしたいところだ。
最終戦が行われるアブダビのヤス・マリーナ・サーキットは、近代的な設備を持つコースで、高速レイアウトのセクター1と2に、タイトなセクションが続くセクター3という組み合わせ。ホテルの下にあるピットレーンからスタートし、ヨットハーバーの間を駆け抜けるチャレンジングなレイアウトが特徴だ。
ただ、ヤス・マリーナ・サーキットはオーバーテイクが簡単ではなく、1ストップ戦略が主流になると予想されるだけに、まずは決勝グリッドが重要となる。
レッドブルはここで過去3勝を挙げるなど得意としており、昨年はマックス・フェルスタッペンが2位、アレクサンダー・アルボンとダニール・クビアトがポイント獲得と、ホンダパワーユニット勢は3台がトップ10入りしている。
なお、前戦サヒールGPを新型コロナウイルス感染のために欠場したルイス・ハミルトンがアブダビGPから復帰できる見込みとなった。これにより前戦サヒールGPでハミルトンの代役として快走を見せたジョージ・ラッセルは再びウイリアムズ・メルセデスから出場することになる。
フェルスタッペンとハミルトンの今シーズン最後の戦いはどうなるのか、ラッセルはウイリアムズに戻ってどんな走りを見せるのか、注目したい。
ホンダの田辺豊治F1テクニカルディレクターは、グランプリ開幕を前に「今週末は、いよいよ2020年シーズンの最後となる第17戦アブダビGPが開催されます。今年のシリーズはコロナウイルスの影響を受け開幕が遅れたことに加え、開催できるサーキットにも限りがあり、7月から12月中旬までの短い期間で多くの連戦を含む全17戦が行われることとなりました。開幕戦からここまで、アッと言う間に過ぎていったような気がします。最終戦が開催されるヤス・マリーナ・サーキットは、前半に2本の長いストレートがある一方、後半には多くの低速コーナーを有しているテクニカルなコースです。3戦連続で夕暮れ後のレースになりますので、ファンの皆さんには今週もカクテルライトを浴びながら火花をあげて走る美しいマシンの姿を楽しんでいただけるのではと思います。先週のサヒールGPは、さまざまな要因で我々にとって思ったような結果が出ない悔しいレースになりましたが、気持ちを切り替えていいかたちでシーズンを締めくくることができるよう、最後までチーム、ドライバーと一丸となって最終戦に臨みます」とコメント。ドライバーは次のように語っている。