下り坂で効率よく回生高速道路でも電費は良好
アネスト岩田ターンパイク箱根をレンジで下り切ったところでは、走行可能距離はe-208が250kmまで復活。撮影のための移動距離を含めると、実質60km近い走行で約70kmぶんの電気を消費したと考えられる。ガソリン車だってアップダウンの激しい峠道での燃費が悪化しがちなことを考えれば、感覚的にも実質的にも、エネルギーとしての消費率はほとんど変わらない。
その後の高速巡航も電費はなかなか優れていた。ターンパイク箱根の小田原料金所から東名の港北PAまでは約60kmほどだが、きっちり190kmの走行可能距離が残されていた。なるほど、1回の充電でこれだけ走ってくれれば確かに実用性に不満も不安も感じないですむ。もちろん急速充電を効果的かつ計画的に活用すれば、走行距離に関する不安はほぼ解消されるだろう。
このクラスのBEVはともすればシティコミューター的なイメージが強いが、家族でのドライブの足としてもICE仕様にけっしてひけをとるものではない。「パワー オ ブチョイス」の時代は、かなり面白いことになりそうだ。(文:石川芳雄)
■プジョー e-208GTライン 主要諸元
●全長×全幅×全高=4095×1745×1465mm
●ホイールベース=2540mm
●車両重量=1500kg
●モーター最高出力=136ps/5500rpm
●モーター最大トルク=260Nm/300-3674rpm
●駆動方式=FF
●車両価格(税込)=423万円
■DS3クロスバック E-テンス グランシック 主要諸元
●全長×全幅×全高=4120×1790×1550mm
●ホイールベース=2560mm●車両重量=1580kg
●モーター最高出力=136ps/5500rpm
●モーター最大トルク=260Nm/300-3674rpm
●駆動方式=FF
●車両価格(税込)=534万円