「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前の国産車は環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は「ホンダ ステップワゴン(4代目)」だ。

ホンダ ステップワゴン(2009年:4代目)

画像: 室内長は先代に対して驚きの320mmプラス。スライドドア開口部も独自の工夫で幅を25mm、高さを45mm拡大。

室内長は先代に対して驚きの320mmプラス。スライドドア開口部も独自の工夫で幅を25mm、高さを45mm拡大。

ステップワゴンが4代目にフルモデルチェンジされた。とくに大きく変わったのがパッケージで、従来の低床に加え、ボディの高さと長さを拡大し最大級のキャビンを確保。併せてシートアレンジも抜群にやりやすくした。

パワーユニットは新制御のi-VTEC+CVTで実用トルクと燃費をアップした。新型でスパーダの2.4Lがラインアップから消えたように、以前はオーバー2Lが積まれたこともあったボックス型5ナンバーのミニバンも、現在は2Lが上限となっている。

だが、この限られた排気量で、重くて空気抵抗も大きな箱形ボディを軽々と走らせるのは大変なこと。スポーツモデルとは違った意味でエンジンやミッションの性能が厳しく問われる。ミニバンの場合、肝心なのはトルクの絶対値ではなくて、その出方だ。低回転域から力強いと、重いボックス型ではとくに反応がよく軽快に感じるもの。

だが新型ステップワゴンの低回転域の力強さは十分なものだった。i-VTECの制御を思い切って低速トルク型に振った効果が明確に出ている。しかも、ほとんどのFFモデルが14.2km/Lという好燃費を達成している。クラストップの低燃費をうたうのも、ここが論拠なのだ。

フットワークは、とくに標準モデルはホンダ車とは思えないほどソフトライドだ。ただ、以前のように2〜3列目席でコツコツこないので家族には好評だろうが、そのぶんボディの動きも大きくなっている。

センター付近を意図的に鈍感にしている感じのステアリングを切り込むと、最初のアクションがグラリと来る。そこでアクセルを踏むと、エコ指向の15インチタイヤが鳴くこともある。その後は粘り腰になり、かなり追い込んでも問題ないのはホンダらしい。

画像: 水平基調でインテリアの広さを感じさせるインパネ。メーター類の視認性やスイッチ類の操作性も良い。

水平基調でインテリアの広さを感じさせるインパネ。メーター類の視認性やスイッチ類の操作性も良い。

This article is a sponsored article by
''.