「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前の国産車は環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は「トヨタ マークX(3.5L)」だ。

また、AVS(可変ダンパー)を主体とする走行モードの変更もメリハリが効いており、その違いはわかりやすい。かつてのTEMSのようなものではなく、それぞれ場面に応じた最適のダンピング設定をしてくれる。スポーツではロールを抑えたフットワークのいい走りになるし、スタンダードでは乗り心地とのバランスをとった設定になっている。

3.5Lに排気量アップされたエンジンは、最高出力318psと最大トルク38.7kgmを発生する。当然ながら素晴らしく速く、低速からも力強い加速を見せてくれる。マークXのボディは意外と軽く、3.5Lモデルでも1550kgにおさえられている。それゆえ、0→100km/h加速は6秒を切るタイムで走ることができるという! もはや、これはGTカー並みの速さだ。

もちろん、マークXの主力はあくまでも2.5Lであり、そのバランスの取れた性能が魅力だが、3.5Lのパフォーマンスはある意味で瞠目すべきものがある。静粛性の高さも従来型のマークXを完全に上回っており、リアシートの居住性、とくにヘッドクリアランスまわりもよく整理されて解放感が大きく飛躍している。

しかも、3.5Lモデルでも同じプラットフォームを採用しているレクサス IS250より価格は安い。予算が許すなら、マークXの3.5Lはお値打ちモデルともいえるだろう。

画像: もっとも豪華なプレミアム「Lパッケージ」。2.5Lを搭載したレクサスISよりも安いのだから、お値打ち度は高い。

もっとも豪華なプレミアム「Lパッケージ」。2.5Lを搭載したレクサスISよりも安いのだから、お値打ち度は高い。

■マークX プレミアム「Lパッケージ」 主要諸元

●全長×全幅×全高:4730×1795×1435mm
●ホイールベース:2850mm
●車両重量:1550kg
●エンジン種類:V6 DOHC
●排気量:3456cc
●最高出力:234kW<318ps>/6400rpm
●最大トルク:380Nm<38.7kgm>/4800rpm
●トランスミッション:6速AT
●駆動方式:FR
●10・15モード燃費:10.2km/L
●タイヤ:235/45R18
●当時の価格(税込み):380万円

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