電気自動車の宣伝は難しい。その解決策のひとつがポップアップ原宿
千葉 まずは、今回のインタビュー会場にもなっています「ポルシェ タイカン ポップアップ原宿」についてお聞きします。タイカンを展示、また日本ではじめて公道試乗できる拠点としてオープンした施設ということですが、なぜ原宿という場所を選んだのでしょうか。
前田 駅前というアクセスの良さはひとつの要素となりましたが、それよりも「ポルシェを詳しく知らない」、「これまでポルシェに触れたことがない」という人にピュアEVであるタイカンをアピールするためです。
千葉 お客さんの反応はいかがでしたか?
前田 これまでもクルマ好きやポルシェファンの方々からの声は多く届きましたが、「ポルシェを知らない」方からの声は少なかったため新鮮です。とくに若い方から「ポルシェって電気自動車もあるんだ」や「テスラにもあるよね」という話もありました。
「タイカン」への入り口がテスラでも良いと思っています。BEV(バッテリーエレクトリックビークル)であってもテスラは自動運転に特化、日産リーフは一般普及させることを重要視したモデルとそれぞれ個性があるように、ポルシェ タイカンは「スポーツカー」という強い個性を持っています。この個性は実際に見て、乗っていただくことが重要ですから。
千葉 タイカンのメインターゲットにはどのような人を考えていますか?
前田 新しいモノに共感してくれる、関心を持っていただくことに年齢は関係ないと思います。あえて挙げるとするなら、建築や製造、デザインなどあらゆる業種で秀でた能力を発揮するスペシャリストと言われる方々には、タイカンの先進性や環境性能、パフォーマンスなどを共感いただけるのではないかと考えています。
千葉 電気自動車ならではの宣伝の難しさがありそうですね。
前田 今までどおりの広告宣伝活動だけではEVの良さは伝わりません。とくに日本では航続可能距離や充電設備などを気にするユーザーも多く、「それってどうなの?」と敬遠されがちです。ポップアップストアは、そういった不安や疑問に応えるための場所なのです。
2021年にはポルシェジャパンとして公共の急速充電施設を8カ所ほど用意する予定です、という情報や、急速充電設備の名称はテスラの「スーパーチャージャー」に対してポルシェは「ポルシェ ターボチャージャー」なんです、という話も実車を前にすると印象が違いますから。
千葉 先日のタイカンの取材で体験したのですが、ポルシェターボチャージャーといった急速充電で100%まで一気に充電できるんですね。一般的なBEVは急速充電だと80%までしか充電できないことを考えると、利便性において大きな利点ですね。グレードによっても異なりますがターボの航続可能距離が450km(WLTPモード)、1度の充電でこれだけ復活するのは長距離を走るときの安心にもつながります。
前田 ライフスタイルやドライブルートのどこで充電するか、マネジメントも含めて楽しむことができたら電気自動車って使い勝手もそこまで悪くないんです。「EVsmart」のように充電サポートアプリもあるので、利便性も高まってBEVを購入するハードルは下がっていると思います。