スポーツカーとマニュアルトランスミッションの組み合わせは最高に楽しい。けれど時にはのんびりとクルマまかせでスポーツ性能を楽しみたい。新たに設定されたPDKという選択肢は、そんなわがままに応えてくれた。（Motor Magazine2021年2月号より）
タイトコーナーからの脱出にも最適なギア比
そこでは、どんなコーナーでもパドルやセレクトレバーの操作に敏感に応えてくれる。ほとんどシフトタイムラグを感じさせずに変速を行ってくれるさまは、気持ち良い。また前述したように低く設定された1から5速のギア比は、とくにタイトなコーナーからの脱出にぴったりで、当然ながら両手をステアリングホイールから離すことなく、ライントレースに専念することができる。
PDKが装備されたボクスターGTSはドイツでマニュアルトランスミッション仕様に対して3173ユーロ（約40万円）の追加料金が要求される。
ポルシェの6速マニュアルトランスミッションを操作するのは人間と機械を直接結びつけるという点で、それはそれで楽しみである。しかしもし毎日の通勤、あるいは渋滞にでも遭遇すると本音は2ペダルが欲しくなる。
そんな時のためにPDKは間違いなくベターなソリューションだ。しかもマニュアルトランスミッションより速く、燃費まで優れているのだから。（文：アレキサンダー・オーステルン＜キムラ・オフィス＞）
中央にはPCM(ポルシェコミュニケーションマネージメント)の、高画像７インチタッチスクリーンを装備している。
■ポルシェ 718 ボクスター GTS 4.0 PDK 主要諸元
●全長×全幅×全高＝4390×1800×1270 mm
●ホイールベース＝2475 mm
●車両重量＝1510kg（EU準拠）
●エンジン＝ 対6DOHC
●総排気量＝3995 cc
●最高出力＝400ps／7000rpm
●最大トルク=430Nm／5000－6500rpm
●駆動方式＝MR
●トランスミッション＝7速DCT（PDK)
●車両価格（税込）＝663万円
