レクサスのスポーツクーペとして位置づけられているRCをベースに、スポーツブランドの象徴である「F」の称号が与えられたのがRC Fだ。2014年10月に発売され、その過激さが話題となった。2019年にはマイナーチェンジとともに「ハイパフォーマンスパッケージ」を設定し、さらに尖ったモデルとなった。今回試乗したのは2020年9月に一部改良が行われたRC Fハイパフォーマンスパッケージだ。

自然吸気V8はパワーと同時に燃費にも配慮

インテリアでは、表皮一体発泡成形による安定した体圧分布と最適なホールド性を実現したヘッドレスト一体のハイバックスポーツシートを採用。また、人間の骨格や筋肉の流れに沿ったステッチを施すことで身体とのフィット性を持たせるなど細かな配慮が行われている。

ステアリングホイール&シフトノブの滑りにくいディンプル本革に施した「かがり縫いステッチ」も専用意匠となる。その他、ドライブモードに連動して表示が切り替わるF専用メーターを搭載し特別感を出している。

画像: ステアリングホイールやシフトノブも単にスポーティさだけではなく、ステッチなど細かいところまで使いやすさへのこだわりが見える。

ステアリングホイールやシフトノブも単にスポーティさだけではなく、ステッチなど細かいところまで使いやすさへのこだわりが見える。

パワーユニットは2UR-GSE型で、最高出力477ps/7100rpm、最大トルク530Nm/4800−5600を発生(2014年登場時)。このユニットはもともとIS Fにも搭載されていたが、シリンダーヘッドやコンロッドを刷新。燃料をシリンダー内に直噴する技術「D-4S」や可変バルブタイミング機構のDual VVT-iの吸気側にVVT-iEを採用し、自然吸気ならではの気持ちの良いエンジン回転の伸び感とレスポンスの良さを実現した。

また街中などでの低負荷走行時には、圧縮行程よりも膨張行程が長いアトキンソンサイクルに切り替えることにより低燃費を実現している。トランスミッションは8速ATで、各ギアともロックアップを積極的に使うことによりMT的なダイレクト感を実現している。

ボディ剛性もこだわった。RCで採用した大断面のロッカーパネル(サイドシル)、スポット溶接に代わるレーザースクリューウェルディングに加えて、RC Fでは、専用のフロアアンダーブレース、リアパーテーションブレースなどを追加し、過酷なサーキット走行にも耐えうる変形しにくい骨格とした。

ブレーキは、フロント/アルミ対向6ピストン、リア/アルミ対向4ピストンモノブロックキャリパーを採用。サーキット走行で求められる強力な制動性能はもちろん、ペダル操作による繊細なスピードコントロールが可能なチューニングを施している。

タイヤはグリップ性能の高いワイドな19インチ大径タイヤを採用するとともに、サスペンションはパーツを新設計し、サスペンション剛性の確保とロール剛性の適正化を行っている。

画像: 19インチ鍛造ホイールから覗くのは6ポットモノブロックキャリパー。放熱性と制動力の高いドリルドローターも装着される。

19インチ鍛造ホイールから覗くのは6ポットモノブロックキャリパー。放熱性と制動力の高いドリルドローターも装着される。

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