雪と氷のトリッキーなターマックが舞台
ラリー・モンテカルロは、1911年初開催というWRCで最も長い歴史を誇るイベント。フランス・ギャップとモナコ・モンテカルロを基点に、フランスアルプスの山岳地帯を舞台としたステージで競技が行われる。
ラリー前半はサービスパークがフランス南部のギャップに置かれ、21日午後2時過ぎ(現地時間)からギャップの北側で2本のステージを走行。22日金曜日は西に向かい、サービスを間に挟んで5本のステージを走る。3日目の23日土曜日の午前中は東に向かい、2本のステージを走行した後、サービスを経て1本のステージを走り、その後200km以上離れたモナコに向かう。そして、最終日の24日日曜日は、モンテカルロを基点に北西に広がるフレンチアルプスで2本のステージを各2回走行。最終ステージのブリアンソネ−アントルヴォー2は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーにボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されている。
2021年のラリー・モンテカルロは新型コロナウイルスの影響により無観客大会となり、ステージの走行距離は例年よりも大幅に短くなったが、それでもステージは全部で14本(計257.64km)、リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は1392.88kmが予定されている。
また、夜間の外出制限が続くことから名物であるナイトステージは休止となり、さらに本番前のシェイクダウンが今回は設定されないことから、ドライバーはいきなり最初のステージに挑むことになる。
ステージは基本的に全てターマック(舗装路)だが、山岳地帯のステージが大部分を占めるため、例年降雪路も多く含まれ、ドライ、ウエット、スノー、アイスとコンディションが刻々と変化する難しい状況となる。
路面コンディションが変わりやすいラリー・モンテカルロでは、4種類のタイヤ(ドライ用、ウエット用、雪道用スタッドレス、スタッドタイヤ)が用意されるが、それぞれ使用できる本数が限られている上、1本のステージ中でコンディションが激変することも多いため、タイヤ選択は至難を極め、タイヤ戦略が勝敗を大きく左右する。さらに、今シーズンからWRCの上位カテゴリーについてはピレリが単独サプライヤーとなったことで、昨シーズンとは違うメーカーのタイヤを装着して戦うチームは、4種類のタイヤを深く理解する必要がある。