コンセプトや考え方は、まったく異なる2台のBEV
最近のニューモデルには、国産/輸入車を問わず「電動車」が増えてきた。HV(ハイブリッド車)、PHEV(プラグインハイブリッド車)、それにFCEV(燃料電池自動車)など、種類はさまざまだが、やはり電動車でいちばん気になるのはBEV(バッテリーEV)、いわゆる電気自動車だろう。BEVはバッテリー容量と航続距離との関係で、大容量バッテリーを積むために大きめのモデルが多いのだが、今回は比較的コンパクトな2台に試乗してみた。
![画像: 初代シビックを彷彿とさせる少しノスタルジックなフォルムだが、ドアミラーをカメラ化するなど凹凸を最小限化している。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783018/rc/2021/02/03/6a79df9f2c648c4ae7e06881f474117c0eae4100_xlarge.jpg)
初代シビックを彷彿とさせる少しノスタルジックなフォルムだが、ドアミラーをカメラ化するなど凹凸を最小限化している。
まず1台は、ホンダがBEV専用モデルとして送り出したホンダ e。そのスタイリングは、初代シビックを彷彿とさせる少しノスタルジックなものだが、ドアミラーをカメラ化したり、フルLEDの灯火類など、よく見れば新しさも感じさせる。
インテリアでは、カメラの画面まで5スクリーンをレイアウトしたインパネは、いままでのクルマにはない、もはや「未来のクルマ」的なものだ。それでも、ウッド調パネルやソファーのような仕立てのシートがリビング空間的で、ホッとするような感覚も与えてくれる。
今回の試乗車は上級グレードの「アドバンス」で、パワートレーンは113kWと315Nmを発生するモーターをリアに搭載し、後輪を駆動するRWD。スタイルから前輪駆動(FWD)に思われそうだが、あえてRWDを採用したのが、ホンダらしいところだ。バッテリー容量は35.5kWhと比較的控え目なので、一充電走行距離はWLTCモードで259kmとなっている。
![画像: フロントグリルがボディ同色とされ、ライオンのエンブレムにもブルーの挿し色が入るのがe-208の識別ポイント。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783018/rc/2021/02/03/f5c585e91cb1917230a1b2ad6a91982a4dab5617_xlarge.jpg)
フロントグリルがボディ同色とされ、ライオンのエンブレムにもブルーの挿し色が入るのがe-208の識別ポイント。
もう1台のBEVは、プジョー 208にエンジン車と同時に発表されたe-208。外観は基本的にエンジン車の208と変わらないが、ボディカラーと同色のフロントグリルやエンブレムなどが、さりげなくBEVであることを主張している。
インテリアも基本的にエンジン車と同じレイアウトだが、小径ステアリングの上から見る3D i-コクピットのメーターや整然と並んだトグルスイッチなど、そもそもエンジン車の208でもインテリアはかなり先進的だった。したがって、ホンダ eのインテリアとは逆に保守的な中に先進性を感じさせるものといえるだろう。
e-208の試乗車も上級グレードの「GTライン」。とはいえ、エントリーグレードの「アリュール」もパワートレーンは同じで、100kWと260Nmを発生するモーターをエンジン車と同様にフロントに搭載して前輪を駆動する。バッテリー容量は50kWhで、一充電走行距離はJC08モードで403km。途中で充電しなくても日帰り旅行ならできそうだ。