「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、日産 エクストレイルだ。

レスポンスの良いディーゼルはATとも好マッチ

画像: 最高出力は173psと2.5Lのガソリンエンジン並みだが、360Nmの大トルクを2000rpmで発生する2Lのディーゼルターボ。

最高出力は173psと2.5Lのガソリンエンジン並みだが、360Nmの大トルクを2000rpmで発生する2Lのディーゼルターボ。

スタートボタンを押してエンジンを始動しても、閉め切った室内にはかすかにアイドリング音が響くのみ。窓を開けてみてもディーゼル特有のガラガラ音はかなり抑えられている。体感する振動も、きわめて少ない。マイナーチェンジ前のMT車から調整されているようだ。

軽くアクセルペダルを踏むと、それだけでググッと力強くスタートする。MT車ではここで早くもシフトアップが必要となるが、AT車はもちろんそのままスルスルと加速し続けていく。もともとガソリン車でもトルクは力強かったが、さらに増量されている感覚だ。荷物満載で乗り比べたら、その差がより分かるのではと思われた。

しかも、ストップ&ゴーを繰り返すと、レスポンスの良さが際だっている。AT車のセッティングを決めるときにMT車と同じスポーティさを必須としたというが、その狙いは成功しているようだ。街乗りで重視される60km/h程度の速度域までは、エンジンの回転数が落ちにくくなっているので、ターボラグを感じることなく、常にスムーズに走ってくれる。

高速走行でも、想像以上に静かだ。100km/hの巡航速度にのるまでの加速感は、かなり滑らかで気持ちいい。ステアフィールも適度な重厚感でビシッとしているし、直進安定性も悪くない。乗り心地も、なかなか快適だ。高速道路をクルージングしている間は1700rpm前後の低回転域を保っており、実に静かで、しかも燃費も伸びそうだ。

走りの上質感や実用域での扱いやすさ、スポーティな楽しさなどなど、エクストレイルのクリーンディーゼルとATの組み合わせは、まさにベストカップルの誕生といえるだろう。

画像: ホイールサイズは2.5Lのガソリン車より1インチ大きい18インチを装着してタイヤは225/55R18。テールゲート右下の小さなエンブレムもディーゼル車の証し。

ホイールサイズは2.5Lのガソリン車より1インチ大きい18インチを装着してタイヤは225/55R18。テールゲート右下の小さなエンブレムもディーゼル車の証し。

■日産 エクストレイル 20GT 主要諸元

●全長×全幅×全高:4635×1790×1700mm
●ホイールベース:2630mm
●車両重量:1690kg
●エンジン種類:直4 DOHCディーゼルターボ
●排気量:1995cc
●最高出力:127kW<173ps>/3750rpm
●最大トルク:360Nm<36.7kgm>/2000rpm
●トランスミッション:6速AT
●駆動方式:フロント横置き4WD
●10・15モード燃費:14.2km/L
●タイヤ:225/55R18
●当時の価格(税込み):313万9500円

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