ドイツプレミアムスリーのひとつ、アウディ AGは2021年2月からデリバリー開始となるアウディ e-tron GTをCES2021で発表した。2018年のロサンゼルスモーターショーでプロトタイプが発表されて以来、3年越しで市販化を実現する。アウディ e-tron GTとはどのような車なのか紹介する。

電気自動車でスポーツサルーン、思い浮かべる車種は・・・

アウディ擁するフォルクスワーゲングループを見渡してみると、言わずと知れたスポーツサルーンの電気自動車ポルシェ タイカンが思い浮かぶだろう。このモデルはアウディ e-tron GTの姉妹車で、そのスペックをタイカンの市販モデルと比較すると、ボディサイズはタイカンが全長で3mm、全幅で6mm長く、全高で1mm低いだけで、ほとんど同サイズだ。

システム出力で比較してみると、アウディ e-tron GTの590psは、ポルシェ タイカン 4Sのパフォーマンスバッテリープラス搭載時のローンチコントロール時オーバーブースト出力の571psが一番近い。最大トルクはアウディ e-tron GTが800Nm、ポルシェ タイカン 4Sが650Nmで、プロトタイプとはいえアウディ e-tron GTが150Nm勝っている。ポルシェ タイカン 4Sの車両重量が2140kgなので、アウディ e-tron GTも同等の車両重量と考えられ、最大トルクの大きいアウディ e-tron GTはポルシェ タイカンより、よりスムーズな発進が期待できる。

アウディ e-tron GTプロトタイプはポルシェ タイカン 4Sと同等のモデルといえそうだ。ポルシェ タイカン 4Sでは運転支援装置のヘッドアップディスプレイ、アクティブパーキングサポート、ナイトアシスト、トラフィックジャムアシストがオプションとなり、これらを搭載すると89万円のプラスとなる。アウディ e-tron GTではこれら運転支援装置を標準装備するグレードを、すでに日本でも販売されているSUVタイプの電気自動車 アウディ e-tron 50 クワトロ「アドバンスド」のように用意するだろう。ベースグレード、アドバンスドグレード、Sラインなどのグレード展開を考慮に入れても価格は1500から2000万円程度だろうか。この手のプレミアムカーとしては、意外と常識的な価格になりそうだ。

画像: アウディ e-tron GTは、前後フェンダーにボリュームを持たせドア部分を絞るコークボトルラインを採用。トランクリッドは姉妹車のポルシェ タイカン同様、尻下がりデザインだ。

アウディ e-tron GTは、前後フェンダーにボリュームを持たせドア部分を絞るコークボトルラインを採用。トランクリッドは姉妹車のポルシェ タイカン同様、尻下がりデザインだ。

アウディ e-tron GTをアウディのガソリン車とボディサイズで比較すると、アウディ A6が一番近く、同等の車格と考えられる。アウディ A6で一番高価な仕様が、アウディ A6 55 TSFI クワトロ Sラインの1045万円だ。アウディ e-tron GTの価格はアウディ A6より50~100%高価になると予想され、車格的には割高感を感じる。この価格差は脱炭素社会に移行するための投資費用、ひいては地球温暖化を抑えて、地球がこれからも人類の居住地であり続けるための費用と割り切るしかないだろう。

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