「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、オープン2シーターの電気自動車、テスラ ロードスターだ。

テスラ ロードスター(2010年)

画像: サイドビューもエリーゼと変わらない。エリーゼではフュエルリッドだった場所に充電用のポートが備わる。

サイドビューもエリーゼと変わらない。エリーゼではフュエルリッドだった場所に充電用のポートが備わる。

テスラ ロードスターは、米国カリフォルニア州に本拠を置くテスラ モータースが開発したEV(電気自動車)だ。シリコンバレーに本拠地を置く、いわゆるベンチャー企業で2003年の設立と歴史的にはまだ浅い。

2008年にデビューしたロードスターは、ボディとサスペンションはロータス エリーゼをベースとし、市販のリチウムイオン電池を6831個(重量は450kg)搭載し、電気モーターを動力源としている。ベースのエリーゼ同様、ミッドシップレイアウトを採用し、モーターとリチウムイオン電池をドライバーズシートの後方にマウントしている。

今回試乗するのは「スポーツ」で、アップデートバージョンとして2009年にリリースされたモデルだ。カーボンファイバーなどを多用して、車両重量は1235kg。モーターの最高出力は288ps(215kW)と、ノーマルのロードスターと同じだが、最大トルクは400Nmにアップされ、0→100km/h加速はノーマルの3.9秒から3.7秒に短縮されている。

「スポーツ」専用の装備としては、サスペンションに10段階調整が可能なダンパーを採用。ドアサイドのインパクトビーム、ABS、エアバッグ、そしてトラクションコントロールも装備し、クルーズコントロールも設定するなど、現代のスポーツモデルらしく、安全性や快適性にもしっかり配慮している。

コクピットに乗り込めば、ドライビングポジションはエリーゼ譲りの低さで、EVとは思えないスポーティさだ。いや、そもそもそのようなことを考えることからして時代遅れなのかもしれない。キーは普通に捻れば、スタンバイ状態となる。もちろんエンジンのアイドリング音などなく、インジケータが待機状態を知らせてくれるだけだ。

ロードスター スポーツはパワーモードを3段階に変えられる。ダッシュ中央下段のタッチパネルで操作するのだが、パネルをタッチするごとに、ノーマル/マックスレンジ/パフォーマンスと表示される。今回の試乗はクローズドコースなので、パフォーマンスをチョイスした。

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