「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、フォルクスワーゲン ポロGTIだ。

ノーマルとの価格差は52万円。それだけの価値はあるか?

画像: ターボとスーパーチャージャーを装着し、2000rpmから最大トルクを発生するタフな1.4LのTSIエンジン。

ターボとスーパーチャージャーを装着し、2000rpmから最大トルクを発生するタフな1.4LのTSIエンジン。

日本導入以前に、ドイツ本国で新型ポロGTIに試乗したときは、足まわりは硬い、スポーツモデルなのに高回転域でのパワーが今ひとつ体感できない、そしてエンジン音も今ひとつと、期待が大きかった分ちょっと肩すかしを食らったような感じだった。ところが今回、日本で試乗したGTIは、そうしたネガが全部払拭されていた。じつにしなやかでファンなホットハッチに変身していた。

これならいい! 確かにノーマルのポロも1.2Lの排気量の割りには良く走るなと感心させられたものだが、GTIに乗ってしまうと、ここぞ!という時のパワーの出方や、コーナリングの立ち上がり方には、やはりGTIでこその鋭さとアドバンテージを感じさせてくれた。110kgの重量ハンデはものともせず、しかもエンジン音も心地良くなっている。

さらに、ノーマルのポロで感じられたポンポンとハネる感じも、GTIではうまく抑えられていた。たかが15mm、されど15mmのローダウン スポーツサスペンションに17インチタイヤが効いているのだろう。うねりが強い路面でも安心してアクセルを踏んでいける。初採用となったXDS(電子制御式ディファレンシャルロック)もいい。ホントにグイグイといった感じで曲がってくれる。トラクションがフッと抜けてしまう怖さもまったくない。

さらに、ポロで唯一のパドルシフトも使いやすい。あり余るパワーを、自在に操ることができる。というわけで、この走りっぷりの良さに専用のエアロパーツを装着して、52万円高は妥当なプライスだろう。予算的に問題がなければ、ポロを検討している人にはGTIをオススメしたい。

画像: 10・15モード燃費はノーマルの20.0km/Lには及ばないが、それでも16.6km/Lとなかなかの好燃費を達成している。

10・15モード燃費はノーマルの20.0km/Lには及ばないが、それでも16.6km/Lとなかなかの好燃費を達成している。

■フォルクスワーゲン ポロGTI 主要諸元

●全長×全幅×全高:3995×1685×1460mm
●ホイールベース:2470mm
●車両重量:1210kg
●エンジン種類:直4 DOHCターボ+S/C
●排気量:1389cc
●最高出力:132kW<179ps>/6200rpm
●最大トルク:250Nm<25.5kgm>/2000-4500rpm
●トランスミッション:7速DCT
●駆動方式:横置きFF
●10・15モード燃費:16.6km/L
●タイヤ:215/40R17
●当時の価格<税込み>:294万円

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