「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、マイナーチェンジを受けた2代目ホンダ フィットと、同時に追加された「フィットハイブリッド」だ。

使い勝手の高さはハイブリッドでも変わりはない

画像: ハイブリッド車は低速クルーズ時にはモーターのみで走る領域をインサイトよりも拡大するなど、フィット専用のセッティングが施されている。

ハイブリッド車は低速クルーズ時にはモーターのみで走る領域をインサイトよりも拡大するなど、フィット専用のセッティングが施されている。

エンジン車は、ハイブリッド車と比較してキビキビ感が光るものの、操作感や接地感が全体に軽めで、動きのわかりやすさと扱いやすさが持ち味だ。CVTは急減速旋回時に引きずり感を嫌ってか低速でフリーになりやすく、駆動力レスポンスが鈍い。街中ではいくぶん減速感は緩和されたものの依然として減速Gが残る。改良は行われているものの、CVTの停止直前のフィールは今ひとつだった。

だが、フィットの人気が高いのは走りだけでなく、インテリアの質感にもある。とくにハイブリッドはゴテゴテしない程度に未来感が上手に演出されていて、このクルマの性格を見事に表現している。その最たるものであるアンビエントメーターは、ゲーム性さえ感じさせる。だが、このクラスだからこそ、このカジュアルさがちょうどいいともいえるだろう。

シートまわりの収納スペースも豊富で、ラゲッジスペースも広い。人や荷物をたくさん積める、これ1台で何でもできるオールマイティ性の高さはフィットのウリだが、ライバルたちに対するこのアドバンテージは、ハイブリッドになっても変わらない。シートアレンジは豊富で、ツーリングワゴン並みの使い勝手は相変わらず高い。

ハイブリッド車とエンジン車では価格差もあるが、長い目で見れば、やはりベストチョイスはトルクフルでしっかり感のある走りを実現したハイブリッドになるだろう。同じハイブリッド システムを搭載したインサイトよりも使い勝手がいい上に走りが良く、価格も抑えられているのだから。

画像: エンジン車はハイブリッド車よりキビキビした走りが持ち味だが、CVTのフィールにもう少し改善を望みたいところだ。

エンジン車はハイブリッド車よりキビキビした走りが持ち味だが、CVTのフィールにもう少し改善を望みたいところだ。

■ホンダ フィット ハイブリッド スマートセレクション 主要諸元

●全長×全幅×全高:3900×1695×1525mm
●ホイールベース:2500mm
●車両重量:1130kg
●エンジン種類:直4 SOHC+モーター
●排気量:1339cc
●エンジン最高出力:65kW<88ps>/5800rpm
●エンジン最大トルク:121Nm<12.3kgm>/4500rpm
●モーター最高出力:10kW<14ps>/1500rpm
●モーター最大トルク:78Nm<8.0kgm>/1000rpm
●トランスミッション:CVT
●駆動方式:横置きFF
●10・15モード燃費:30.0km/L
●タイヤ:175/65R15
●当時の価格<税込み>:172万円

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