乗り味はさすがだが、乗り心地はやや硬め
これはホイールベースを100mm短くした上に、リアサスをダブルウイッシュボーン化し、さらにサス周辺のスポット溶接を増やしてボディ剛性を上げた相乗効果だ。低全高化とボンネットやリアゲートにアルミを採用することで慣性モーメントを下げているのも効いている。そして微振動を吸収するパフォーマンスダンパーが、ボディやステアリングに凛とした剛性感を出した。この一体感の強い乗り味は、まさにCT200hだけの世界だと感じた。
一方、乗り心地はやや硬め。今回は16インチ/17インチで3仕様の足まわりを試したが、16インチのバージョンCでも硬質だった。17インチのバージョンLでは明確に締まってきて、やや揺すられ感が気になる。できればシチュエーションに応じて減衰力を選べる可変ダンパーが欲しいところだ。
そうした味付けの集大成と言えるのがFスポーツ。こちらも相応にハードな設定だが、突き上げの角が取れていてしなやかだ。走りに振ったこのクルマのキャラクターを考えれば17インチはすべてこの仕様で良いだろう。
一方、パワーフィールはTHSーIIの限界を感じた。CT200hはドライブモードスイッチを備えており、スポーツモードでは出力制御が加速重視となり、インジケータがタコメーターになり、トラクションコントロールやパワーステアリングの制御も変わる。さらにパドルシフトも用意されるなど、走りの期待感を高める演出が凝らされている。
動力性能は十分で、エンジンとモーターの協調した加速はけっこうシャープだが、ダイレクト感が薄い。操作に対しワンテンポ遅れるTHSーIIの持ち味はそのままだ。パドルシフトもダウンシフトを積極的に受け入れるわけではないし、シフトアップも早め。エコと走りの両立は難しいのだろうが、シャシが速いだけにパワーユニットをもう少しスポーティにふって欲しかったところだ。
■レクサス CT200h バージョンC(プロトタイプ) 主要諸元
●全長×全幅×全高:4320×1765×1460mm
●ホイールベース:2600mm
●車両重量:1400kg
●パワートレーン:直4 DOHC+モーター
●排気量:1797cc
●最高出力:73kW<99ps>/5250rpm+60kW<82ps>
●最大トルク:142Nm<14.5kgm>/4000rpm+207Nm<21.1kgm>
●トランスミッション:電気式無段変速機
●駆動方式:横置きFF
●10・15モード燃費:未発表
●タイヤ:205/55R16