3シリーズと4シリーズのトップパフォーマンスモデルとして君臨するM3 コンペティションとM4 コンペティション。その新型モデルが待望のデビューを飾り、ようやくそのハンドルを握ることができた。大きなキドニーグリルが実に印象的な2台の最新Mモデル、その熟成ぶりを試した。(Motor Magazine2021年5月号より)

歴史とノウハウを積み重ね究極のドライビングを実現

M4コンペティション クーペのテストは、主にM社のドライバーズトレーニングコースを使って行った。M社のエンジニアによれば、M4とM3のシャシセッティングはほとんど同じで、サンパウロイエローと呼ばれる派手なカラーリングのM4も確かに乗り出した時の印象は変わらなかった。

ただし、このセッションではタイトなコーナーで、ハンドルの舵角に対するクルマの回頭性や接地感の確かさが求められる。M4はスピードを上げてもコントローラブルな弱アンダーステア姿勢を保っていた。オプション装着のフロント19インチ、リア20インチ(標準は18インチと19インチ)のミックスサイズタイヤが操舵性とスタビリティの両立に大きく貢献している。

新たに装備されたプログラム「Mドライブプロフェッショナル」では、センターコンソールにあるモードスイッチを「トラック」に入れてDSC(スタビリティコントロール)を段階で調整すると、異なるドリフトアングルを楽しめる。さらにMドリフトアナライザーやラップタイマーは車両走行データを評価して、ラップタイム向上の手助けもしてくれる。

新型M3コンペティションとM4コンペティションの走りは、どちらも長年の歴史とノウハウが作り上げたスポーツセダン/クーペの究極の姿だった。言い換えれば、間もなく登場するM xDrive仕様、そしてカブリオレを含めて、これが最後の直6ツインターボエンジンを搭載するM3、そしてM4となるのかもしれないのだ。有終の美を飾る記念すべきモデルの試乗を終え、初代M3(E30)を知る私は感無量になってしまった。(文:木村好宏/写真:キムラ・オフィス)

画像: マルチファンクションMスポーツレザーステアリングホイールとオプションのMカーボンバケットシート。

マルチファンクションMスポーツレザーステアリングホイールとオプションのMカーボンバケットシート。

BMW M3コンペティション セダン 主要諸元

●全長×全幅×全高:4794×1903×1433mm
●ホイールベース:2857mm
●車両重量:1805kg(EU準拠)
●エンジン:直6 DOHCツインターボ
●総排気量:2993cc
●最高出力:375kW(510ps)/6250rpm
●最大トルク:650Nm/2750-5500rpm
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:FR
●燃料・タンク容量:プレミアム・59L
●WLTCモード燃費:9.8-10.0km/L
●タイヤサイズ:前275/40R18、後285/35R19

BMW M4コンペティション クーペ 主要諸元

●全長×全幅×全高:4794×1887×1393mm
●ホイールベース:2857mm
●車両重量:1800kg(EU準拠)
●エンジン:直6 DOHCツインターボ
●総排気量:2993cc
●最高出力:375kW(510ps)/6250rpm
●最大トルク:650Nm/2750-5500rpm
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:FR
●燃料・タンク容量:プレミアム・59L
●WLTCモード燃費:9.8-10.1km/L
●タイヤサイズ:前275/40R18、後285/35R19

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