ITを駆使した管理システムの導入も行う
![画像: 荷室の床面は2層構造となっていて、床下には台車や小物などが収納できる。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783018/rc/2021/04/14/6b21619300900c4cf353cbb234d417e75c50ef20_xlarge.jpg)
荷室の床面は2層構造となっていて、床下には台車や小物などが収納できる。
荷室にも多くの工夫が施されている。床面は2層構造になっており、床下は台車の格納スペースと業務に必要な小物を収納できる引き出しが設けられている。さらに左右スライドドアのステップ部分も車輪止めや傘などが収納できるスペースとなっている。
荷室の天井には、4本のLED照明とUV除菌装置が配されている。LED照明は夕方から夜間にかけての作業を考慮して装備され、除菌装置はドライバーが清潔な環境で作業ができるようにという配慮から採用された。
ちなみにこの壁面に凹凸がない荷室の最大積載量は350kgで、これまでの一般的な配達用軽自動車と同じ容積が確保されている。佐川急便では一度に80〜100個程度の荷物を積むため、この使用条件にも合うものとなっている。
ITを駆使した管理システムの導入も行う。インパネに収められた大型モニターはナビ機能を備えたタブレット端末で、バッテリー使用量などの車両管理データ、配車効率を高めるためのGPS情報管理データ、運行管理といったデータの記録や収集などが可能で、これらのデータはクラウド上で管理される。
また、カーナビゲーション、緊急時に連絡が可能なサポートシステムといった機能も併せ持つ。さらに、健康管理システムやAIを用いた危険検知システム、デジタルタコグラフ、AIドライブレコーダーの導入も検討しているという。
![画像: デモ走行を行う宅配用電気自動車のプロトタイプ。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783018/rc/2021/04/14/d2c214a2021aa1fb24aef42a4a826080eefe60ec_xlarge.jpg)
デモ走行を行う宅配用電気自動車のプロトタイプ。
本格導入に向けた今後のスケジュールは、2021年3月から約6カ月間実証実験を行い、内外装の仕様を8月中に決定。9月中に量産を開始し、2022年9月から順次納車が開始されるという。最終的には佐川急便が保有する軽自動車の宅配車7200台がBEVに置き換えられるという。導入後のメンテナンスなどはSGモータース(佐川急便の関連会社)と日本ロードサービスが担当する。
さらにASFでは、この宅配用BEVをリース料やメンテナンス料、電力使用料などをオールインクルーシブにしたリース販売や、使用頻度に応じて料金を支払うサブスクリプションサービスというかたちで提供していく計画だという。
気になるのは宅配用BEVの車両価格だが、残念ながら今回は公表されなかった。しかし、佐川急便の本村社長は「いま(使用している軽自動車の配達車)よりも高くしないでくださいとASFさんにはお願いしています」と語った。