「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、2010年にフルモデルチェンジしたルノー メガーヌ ルノースポールだ。
ルノー メガーヌ ルノースポール(2010年:フルモデルチェンジ)
フランス本国でルノー メガーヌが3代目にフルモデルチェンジされたのは、2008年。ようやく日本に新型が入ってきたと思ったら、なんとノーマルモデルではなく「ルノースポール」のほうからやって来た! 独特のスタイルにパワフルなエンジンを搭載したスーパースポーツモデルに、さっそく試乗してみることにした。
ルノーが長年モータースポーツで培ったノウハウを採り入れた、レーシングカー直系のスポーツモデルが、メガーヌ ルノースポールだ。まず、エクステリアを見て驚いた。2BOXながらクーペのごとき斬新なスタイリングは、印象的なフロント〜サイドビューもさることながら、とくにリアビューが強烈だ。
そして、乗っても驚いた。エンジンは強力そのもの。最高出力250psを発生し、わずか1900rpmで最大トルクの340Nmの80%以上を発生するという2Lのツインスクロールターボエンジンは圧倒的にパワフルだ。トップエンドまで突き抜けるように吹け上がり、エンジン音や排気音の味付けにこだわったというサウンドの演出も楽しめる。0→100km/h加速はわずか6.1秒というから、かなりのもの。
6速MTのシフトフィールも適度にショートで節度感があり、実に小気味良い。スポーツ走行向けに最適化された「シャシーカップ」によるフットワークも素晴らしい。走り始めてしばらくは固い乗り心地だと感じていたのだが、そんな浅いものではなかった。タイヤの使い方がとてもうまいのだ。