「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、2010年にフルモデルチェンジしたルノー メガーヌ ルノースポールだ。

パワフルなエンジンと絶妙な乗り心地の好バランス

画像: 250psと34.7kgmを発生する直4の2Lツインクスロールターボエンジンは強力そのものだ。

250psと34.7kgmを発生する直4の2Lツインクスロールターボエンジンは強力そのものだ。

強めにダンピングを効かせた足まわりは、路面からの入力による車体の振動も瞬時で収束させるとともに、姿勢変化も起こしにくい。そして、ジオメトリーの最適化を図ったサスペンションにより、タイヤが常に粘りつくように路面に追従している感覚があり、攻め込んでもブレークする気配を感じさせない。

ステアリングはクイックで、操作に遅れることなく期待どおりターンインできる回頭性の良さも印象的だ。コーナー立ち上がりでは、フロントが逃げてアンダーステアに転じることもなく、アクセルで姿勢を作っていける、FR的なハンドリングだ。常にイメージどおりのラインをトレースしていける。

FFながら最高出力の250psをうまく受けとめるクルマなど、これまでそうそう存在しなかったと思われるが、このクルマはほぼ理想的といえるだろう。フロントにブレンボ製のモノブロックキャリパーを持つブレーキングパワーも強力そのもの。一方で、乗り込んでしまえば、後席の居住空間も十分だし、外見から想像するよりもずっと広いスペースが確保されたラゲッジルームなど、実用性の高さも特筆すべき点だ。

この内容で385万円という車両価格は、かなりのバーゲンプライスであることは間違いない。やはりモータースポーツを知り尽くしたメーカーが手がけたスポーツモデルは出来が違う! と、とても心打たれた1台だった。

画像: トップエンドまで吹け上がるターボエンジンの小気味良いサウンドを奏でながら、ワインディングロードを駆け抜ける。

トップエンドまで吹け上がるターボエンジンの小気味良いサウンドを奏でながら、ワインディングロードを駆け抜ける。

■ルノー メガーヌ ルノースポール 主要諸元

●全長×全幅×全高:4320×1850×1435mm
●ホイールベース:2640mm
●車両重量:1430kg
●エンジン種類:直4 DOHCターボ
●排気量:1998cc
●最高出力:184kW<250ps>/5500rpm
●最大トルク:340Nm<34.7kgm>/3000rpm
●トランスミッション:6速MT
●駆動方式:横置きFF
●10・15モード燃費:未発表
●タイヤ:235/40ZR18
●当時の車両価格(税込):385万円

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