2021年6月15日、第8世代となる新型ゴルフ、通称「ゴルフ8」の販売がいよいよ日本市場でも始まった。まずは4つのラインアップからの導入スタートだが、今回は車両価格が300万円ちょっとの最量販グレード候補であり、1L 直3ターボを搭載した「eTSI アクティブ(eTSI Active)」に注目してテストドライブに臨んだ。

電気の力が、キビキビ感と軽快感を絶妙にサポート

画像: 電気の力が、キビキビ感と軽快感を絶妙にサポート

もちろん、ゴルフ8はドライビング性能に関しても非常に魅力的に仕上がっている。こと「速さ」という点に関しては、やはり1.5L 直4ターボのeTSIの実力が光る。最高出力150ps、最大トルク250Nmというスペックから想像される以上に、刺激的な速さを体感することができる。

比べてしまえば1L 直3ターボの「eTSI アクティブ」の速さは、当然控えめ。ただしそれは、高速道路での追い越し時や急な上り坂などで、感じるレベルの違い。加減速が連続する街乗りでは逆に、適度なピークパワーが扱いやすさにつながる。

ゼロスタートからスムーズな加速感はまさに、マイルドハイブリッド化の恩恵と言っていいだろう。とくに、意識的にアクセルペダルの踏み代を抑えて走る「ちょっとだけエコドライブ」を心がけてみると、ベルト式スタータージェネレーターの絶妙なサポートによって、驚くほど軽快でリニアな加速感を感じることができた。7速DSGのスマートな変速制御も含めて、そのシームレス感は「ちょっとBEVっぽい・・・」と思えたほどだ。

付け加えるなら、直列3気筒ならではのノーズの軽さも好印象だった。1.5L 直列4気筒モデルでも十二分に軽快フットワークが楽しめるのだけれど、1Lモデルはハンドル操作に対する反応がより素直でスムーズに思えた。コーナリング時の速度域が上がれば17インチタイヤの恩恵が明らかになってくるはずだが、日常シーンではeTSIのリニア感を十二分に生かして、「愛車を意のままに操る」醍醐味を味わうことができそうだ。

大人だけれど若々しい・・・新しい時代の「ゴルフ像」の誕生か

画像: 写真手前からゴルフ8 eTSI アクティブ(キングズレッドメタリック)と、1.5L 直4ターボのeTSI Rライン(ドルフィングレーメタリック)、eTSI スタイル(ライムイエローメタリック)。

写真手前からゴルフ8 eTSI アクティブ(キングズレッドメタリック)と、1.5L 直4ターボのeTSI Rライン(ドルフィングレーメタリック)、eTSI スタイル(ライムイエローメタリック)。

16インチタイヤでもやや硬さを感じさせる乗り心地など、改善点はもちろんある。けれど、すべてにおいて底上げされた「ゴルフらしさ」は、従来からのゴルフファンにも支持されることだろう。その一方でゴルフ8は、いい意味で「若々しい」雰囲気に満ちていることにも最後に触れておきたい。

昨今のフォルクスワーゲンはTクロス、Tロックなど、エッジの利いた内外装を持つエントリークラスのニューフェイスが増えている。どちらもとがった印象がやや強いけれど、より若い層のユーザーを狙って人気者となった。新型ゴルフはその兄貴分的存在としてデザイン的にも機能的にも、もう少し大人びたセンスで絶妙な「若々しさ」を表現しているところが魅力的だと思う。

単に「スタンダードとしてよくできている」からではなく、「ドキドキワクワクする感」でもより積極的に愛される存在へ・・・ゴルフ8はフォルクスワーゲン車全般に広がりつつある変革を、象徴する存在でもあるのかもしれない。(文:Motor Magazine編集部 神原 久)

フォルクスワーゲン ゴルフ eTSI アクティブ 主要諸元

●全長×全幅×全高:4295×1790×1475mm
●ホイールベース:2620mm
●車両重量:1310kg
●エンジン:直3 DOHCターボ+モーター
●排気量:999cc
●最高出力:81kW(110ps)/5500rpm
●最大トルク:200Nm/2000-3000rpm
●モーター最高出力:9.4kW(13ps)
●モーター最大トルク:62Nm
●トランスミッション:7速DCT
●駆動方式:FF
●燃料・タンク容量:プレミアム・47L
●WLTCモード燃費:18.6km/L
●タイヤサイズ:205/55R16
●車両価格:312万5000円

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