長きにわたってブランドを象徴してきたメルセデス・ベンツ CクラスとSクラスがフルモデルチェンジ。BEVのラインアップ拡充とともに世代交代の足取りも早まりつつあるようだ。(Motor Magazine2021年7月号より)
Eクラスに匹敵する上質感を持つ新世代Cクラス
2020年に引き続き2021年もまた、主要車種のフルモデルチェンジ群が、続々と日本上陸を果たすメルセデス・ベンツ。中でもブランドの「顔」と呼んでいい完全進化を果たしたCクラスとSクラスの導入開始は、これからの日本市場でのメルセデス・ベンツの大躍進を予感させる。
ことCクラスにいたっては、新世代感のインパクトが強烈だ。基本的なフォルムこそ、トラディショナルな後輪駆動車らしさが漂うものの、ボンネット上にくっきりと盛り上がるアクセントラインはこれまでにない力強さをアピールする。左右に幅広いフロントグリルとサイドエアダクトのコンビネーションは、Eクラスにも匹敵する上質感だ。セダンと同時に発表されたステーションワゴンも、なかなかにスタイリッシュだ。
さらにインテリアデザインのグレードアップは、新型Sクラスのそれに準じるレベルの高いものとなった。最大で11.9インチまで選択できるダッシュボード部のタッチパネル式ディスプレイは、ひたすらワイドさを誇る傾向にあった近年のメルセデスデザインから、一足飛びに洗練された印象に進化している。革新的なARヘッドアップディスプレイ、よりスマートに使いこなせるMBUXなど、類いまれなハイテク感を、このクラスから堪能できるのだ。