見た目はこれまでのXC60と大きく変わらない。しかし見えない部分では48Vマイルドハイブリッド(MHEV)システムの搭載など大きく進化している。その真価は乗るまでわからないが、乗るとよくわかるのである。(以下の記事は、Motor Magazine 2020年8月号より)

48V MHEV用にエンジンも最適化されている

画像: 回転数が3000rpm以下、30〜160km/hの範囲で変速が実行されていなければ1番と4番のシリンダーが停止する機能を採用した。

回転数が3000rpm以下、30〜160km/hの範囲で変速が実行されていなければ1番と4番のシリンダーが停止する機能を採用した。

走り出してまず気がついたのは、エンジンの滑らかさである。とても回転フィールがスムーズで、それに電気モーターが組み合わされることで一段とXC60の熟成が進んだようで魅力が増している。

まず、アイドリングストップからの再始動がとても静かになった。これはまさにモーターを搭載したメリットだろう。さらに減速エネルギーを積極的に回収し、貯めることができるので実にエコである。これまでは捨てていた(もったいない!)ものが使える魅力はとても大きいのだろう。

走りも違和感なくスムーズだ。たとえば走行中に気筒休止機構が働いていても、それをこれ見よがしにドライバーにアピールしない。このあたりはボルボの奥ゆかしさと言えるのではないだろう。

実は、この2Lエンジンも今回改良され、第三世代になったという。もちろん、48Vハイブリッドの採用で各種制御を改善、最適化もされたが、その他にもターボチャージャーの変更、ピストン、シリンダーヘッド、シリンダーブロックの変更、エンジンマウントの変更、エキゾーストシステムの変更、各種センサーシステムの変更、8速ATの機構および制御の最適化などが施されている。

さらにシフトバイワイヤも採用され、これまでツインエンジンにしか採用されなかったオレフォス社製クリスタルシフトノブが装備された。このオレフォス社製クリスタルは、ノーベル賞授賞式の晩餐会でワイングラスとして使われるということでも有名である。

XC60はグローバルで一番売れているボルボ車である。当然のこと日本での人気もとても高いSUVだ。そんなXC60が高評価を獲得しているエクステリア&インテリアデザイン、先進のADAS標準搭載に加え、電動化された先進のパワートレーンを得た。その中味の真価は乗ってみるとよくわかる。商品力がアップしたXC60の人気は、まだまだ続くことだろう。(文:Motor Magazine 編集部 千葉知充/写真:永元秀和)

画像: 第5世代のハルデックス式4WDシステムを採用し、通常時はFWDだが、必要な時は瞬時にリアに50%の駆動力を伝達する。

第5世代のハルデックス式4WDシステムを採用し、通常時はFWDだが、必要な時は瞬時にリアに50%の駆動力を伝達する。

■ボルボ XC60 B5 AWD インスクリプション 主要諸元

●全長×全幅×全高:4690×1900×1660mm
●ホイールベース:2865mm
●車両重量:1890kg
●エンジン:直4 DOHCターボ+モーター
●総排気量:1968cc
●エンジン最高出力:184kW(250ps)/5400-5700rpm
●エンジン最大トルク:350Nm(35.7kgm)/1800-4800rpm
●モーター最高出力:10kW/3000rpm
●モーター最大トルク:40Nm/2250rpm
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:フロント横置き4WD
●燃料・タンク容量:プレミアム・71L
●WLTCモード燃費:11.5km/L
●タイヤサイズ:235/55R19
●車両価格(税込・発売時):734万円

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