プジョーが謳う「パワーオブチョイス」とは、パワートレーンの好みでクルマを選ぶということ。今回、フラッグシップに電動化モデルとしてプラグインハイブリッド(PHEV)が加わり、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、PHEVから508/508SWが選べるようになった。(Motor Magazine 2021年8月号より)
PHEV専用の8速ATを採用するプジョー 508 ハイブリッド
ドライバーズシートに収まると、先月まで1年間という長期にわたりテストしてきた508SW GTブルーHDiで見慣れたiコックピットが見える。シートの感触も座り慣れたものだ。違うのは始動してもディーゼルエンジン音が聞こえないこと。そう、今回試乗したのは、508シリーズに新たに加わったPHEVである。
これで508/508SWは1.6L直4ガソリンターボ、2L直4ディーゼルターボ、1.6L直4ターボ+モーターのプラグインハイブリッドという3つのパワートレーンから選択可能となった。これは「パワーオブチョイス」というプジョーの考え方で、グレードの上下ではなく、ライフスタイルや環境意識といった価値観に合わせてパワートレーンを選べるというもの。電動化モデルを選択肢のひとつとしてあたりまえに選べるようにしたものである。
GTハイブリッドが搭載するのは1.6L直4ターボエンジン。最高出力は180ps、最大トルクは300Nmを発生する。それに最高出力110ps/最大トルク320Nmの電気モーターを組み合わせる。これによりシステムトータル出力は225ps/360Nmを発生、8速ATは、PHEV専用の「eEAT8」となる。
リチウムイオン電池の総電力量は11.8kWh。これを後席下に配置するため内燃機関と同じ室内スペース、荷室容量を確保している。これはEMP2プラットフォームを採用するメリットである。