ニューモデルの登場は、多かれ少なかれ心ときめくもの。だが2代目ボルボ XC90のフルモデルチェンジは中でも、そうとうセンセーショナルだったように思う。その時感じたときめきは、未だに色あせることがない。

温もり漂うアナログの世界感から、一足飛びに時代を超越

画像: 9インチの縦型タッチスクリーンに、ナビやオーディオ、空調ほか各種設定を操作する機能を集約することで、ハード系スイッチの数は激減。(XC90 初期のもの)

9インチの縦型タッチスクリーンに、ナビやオーディオ、空調ほか各種設定を操作する機能を集約することで、ハード系スイッチの数は激減。(XC90 初期のもの)

2012年、ハッチバックとしてはかつてないほどスタイリッシュな、2世代目V40がデビューした。P1800以来の時代を超越するかのようなかっこよさには、思い切り痺れた記憶がある。正直、少し忘れかけていたボルボデザインに対するときめきが、復活した瞬間だった。

そして2014年、さらなる衝撃的なモデルが新型XC90として発表された時、またもや度肝を抜かれてしまったのだ。もちろん一気にシャープな印象に生まれ変わったエクステリアデザインのインパクトはすごかったけれど、それ以上に驚かされたのが、そのインターフェイスの革新ぶりだった。

シンプルな造形とともにすっきりまとめあげられながら、同時に豊かな上質感が溢れている。まるで電卓のように数字のキーが並んでいたそれまでのアナログなインターフェイスとのギャップが、ものすごかったことを、未だに思い出す。

世界でもっとも称賛されるべきデザイナー&デザインに選出

画像: 先進的でありながらこのうえなく寛げる空間であることに変わりはない。(XC90 初期のもの)

先進的でありながらこのうえなく寛げる空間であることに変わりはない。(XC90 初期のもの)

もちろん、そんな車内で過ごす時間がいつだって穏やかで心地いいことに、変わりはない。ボルボのトラディショナルな魅力をけっして損なうことなく、2・3世代分のバージョンアップを果たしてしまったような素晴らしいインテリアを生み出したデザイナーに、心底拍手を送りたい気分だった。

いや、今でもチャンスがあれば、ぜひお会いしてお話を伺い、賛辞を贈りたいものだ。なにしろ2017年から、ボルボのデザイン本部長を務めているロビン・ペイジ氏こそが、XC90が世界から絶賛を受けた当時のインテリア・デザイン部門の責任者(担当副社長)だったのだから。

画像: 2013年、インテリア・デザイン担当副社長に就任された時のロビン・ペイジ氏。2017年からデザイン本部長に就任している。

2013年、インテリア・デザイン担当副社長に就任された時のロビン・ペイジ氏。2017年からデザイン本部長に就任している。

2015年6月、ロビン・ペイジ氏は権威あるデザインイベント「オートモーティブ・インテリア・エキスポ2015」で、XC90の飛躍的な進化を賞する形で「インテリア・デザイナー・オブ・ザ・イヤー」に選ばれた。XC90は量産車部門でももっとも高い評価を受け、栄冠が授与されている。ペイジ氏はその際、「ボルボは豊かな所有体験を想像することに重点を置いています」と語っていた。

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