「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、フォルクスワーゲンのフラグシップSUV、トゥアレグだ。

フォルクスワーゲン トゥアレグ(2011年:フルモデルチェンジ)

画像: ボディサイドのデカールは試乗車のデモ用。着座位置が高く視界はいいのでサイズを気にせず乗りこなせる。

ボディサイドのデカールは試乗車のデモ用。着座位置が高く視界はいいのでサイズを気にせず乗りこなせる。

フォルクスワーゲンのプレミアムSUV、トゥアレグが2代目にフルモデルチェンジされた。注目モデルは、やはりハイブリッドだ。スーパーチャージドV6エンジンにモーターを組み合わせて、V8並みのパワーと直4並みの燃費を両立させている。

さて、フォルクスワーゲンでは初のハイブリッド車となるトゥアレグは、車速が50km/h以下なら2kmのEV走行も可能なフルハイブリッドカーだ。気になる10・15モード燃費は、従来のV8モデルと比較すると2倍以上になる13.8km/Lを達成している。

走行中にアクセルペダルから足を離すとクラッチが切られ、エンジン抵抗を受けずに滑るようなクルージング走行に入るコースティングモードとなる。この間、電気モーターは発電機として作用し室内装備への電力供給を行い、ブレーキング時には回生ブレーキシステムとしてバッテリーへの充電を行うといった仕組みだ。

この状態はスイッチなどで積極的に選べるモードではないが、アクセルペダルから足を離した途端、ストンとタコメーター表示がゼロになることでわかる。最初はビックリするが、160km/hまで対応するというから燃費への貢献度は非常に高い。そして再びアクセルペダルを踏み込むとクラッチはつながるが、このときエンジン回転が上がっているので制御が難しく、搭載されているトランスミッションはアイシンAW製の8速ATなのだが、開発にはDSGを担当しているエンジニアが投入されたという。

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