2021年8月1日にツインリンクもてぎで開催されたカートの耐久レース「もてぎKART耐久フェスティバル K-TAI」。Webモーターマガジンの連載企画「ドライブグルメ」のレポーター、鈴木ケンイチ氏が参戦してきたので、汗まみれ?のレポートを報告してもらおう。

後方の順位から、淡々とトラブルなく走る

2021年のK-TAIへのエントリーは95台だった。これほど多くのマシンが一斉に走るというレースは、めったにない。小さなカートで大きな本コースだからこそ、可能な数字だろう。

さて、自分たちのマシン(98号車)のスタート位置は68番目。これはくじ引きで決まったポジションだ。自分たちのマシンのポテンシャルとしては、微妙に良いという感じだ。エンジンの「慣らし」すらできてない新品だから、ストレートは絶望するほど遅い。今年は初心者ドライバーの多い号車ということで、何度かの参加経験のある筆者がスタートドライバーを務めることになった。スタート時刻は午前9時30分だが、すでに日差しは強く、スタートを待つ間に汗でびっしょり。

画像: ブレーキは後輪だけに装備されている。ハンドルにメーターを追加。走行速度とラップタイムを表示できるようにした。

ブレーキは後輪だけに装備されている。ハンドルにメーターを追加。走行速度とラップタイムを表示できるようにした。

スタートはローリング方式。100台近くのカートが横3列に並んで走るさまは、ドライバー目線からしても壮観だ。そしてグリーンに灯るシグナルの下を通り過ぎるとレースはスタート! だがこの時点で早くもレースは混沌とする。なぜなら、スタート位置がくじ引きだから、速いマシンが後ろにいたり、遅いマシンが前にいたりするからだ。

そのため、スタートから数周で順位は目まぐるしく変動する。ここで他のマシンと接触したり、コースアウトする可能性が非常に高くなる。8周ほどを慎重に走って、最初のドライバー交代を行うことができた。まずは最初の仕事を無事に終えることができて、ほっと胸をなでおろした。

その後、チームメイトは淡々と周回を重ねることで、順位をジワジワとアップ。正午前に2回目、午後2時過ぎに3回目に、それぞれ8~12周のドライブをノートラブルで終えた。また、同じ号車のメンバーも全員、ノートラブルで走行。気がつけば、夕方4時半のゴール時点で21位のポジションにつくことができた。とはいえ、K-TAIの順位は「同一周回数は同順位」という特別ルールなので、実際には95台中70位前後といったところ。

しかし、リザルトにある号車ごとのベストラップを見てみれば、自分たちよりも後ろの順位に、ベストラップの速い号車がズラリと並んでいる。つまり、自分たちのマシンは1ラップのスピードこそ遅いけれど、コンスタントに走ったため順位で勝ることができた。まさにウサギとカメの戦いだ。これも耐久レースならではの戦い方と言えるだろう。

2021年の夏も、大満足の熱いレースを経験することができた。そして、熱中症になりそうなほど、暑い1日だった。(文:鈴木ケンイチ/写真提供:クラブレーシング)

画像: 筆者が搭乗した98号車のメンバー。4人のドライバー、メカニック、サインマン、サポートなどの12名だ。

筆者が搭乗した98号車のメンバー。4人のドライバー、メカニック、サインマン、サポートなどの12名だ。

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