マカンがフェイスリフト。GTSがトップモデルに
2014年に登場したポルシェのミッドサイズSUVマカンは、2018にマイナーチェンジを受けているが、今回、早くも2回目となるフェイスリフトが行われることになった。
マカンは、2023年にBEV化されることが発表されており、本来であれば、それは同時に2年後にはICE搭載モデルからの撤退と言うことになるはずである。ところがポルシェは現行モデルの販売継続を表明している。というのもマカンの総販売台数の半分近くを占める中国で、内燃機関の禁止タイミングがヨーロッパの国々よりもずっと遅く、2060年とまだ39年も先なのだ。
はっきり言えばこの間に普及速度の遅いBEVの販売に賭けるよりも実質的なビジネスも並行して進める方が得策と考えたわけである。つまり現行マカンが2023年以降もフレッシュでいられるように、今回改めてフェイスリフトを受けることになったのである。
今回のアップデートは写真で見られるように大きな変化はなく、フロントのブラックアウトされたグリルが現行911やパナメーラふうに車幅いっぱいに広がったこと、そしてリアフィニッシャーがリデザインされ、インテリアはコンソールのメカニカルスイッチ類がタッチ式になった程度である。
ただしもっとも大きな変更はラインナップの整理で、トップモデルのターボが廃止されることになった。その代わりにGTSがトップパフォーマーに昇格、同様にマカンSやエントリーモデルも、パワーアップが図られている。
ちなみにベーシックな直4搭載車は最高出力を245psから265psへ、最大トルクは370Nmから400Nmへとそれぞれ向上している。こうしたパワートレーンのバージョンアップとともに、シャシはよりスポーティかつ快適性も確保すべく、大きくアップデートされている。(文:グレッグ・ケーブル、アレキサンダー・オースルテン/写真:キムラ・オフィス)
マカンを始め人気モデルを徹底的に熟成させていくポルシェ
2.9L V6ツインターボを搭載するマカンGTSが、60psそして30Nmのエクストラスペックを得て最高出力440ps、最大トルク550Nmと現行「ターボ」と同じ性能が与えられた。その結果スポーツクロノを搭載したモデルは0→100km/h加速を4.3秒、最高速度は272km/hと現行ターボをわずかだが上回るパフォーマンスを発揮する。
さらにマカンSはGTSと同じ2.9L V6ツインターボとなり最高出力は380ps、最大トルクは520Nmにアップ、現行GTSと同程度の性能まで引き上げられる。エントリーモデルの4気筒搭載車もパワーアップした。