少しずつ消耗品を交換して、なんとか走れるようになったNAロードスター
30年選手のクルマともなればトラブルが絶えない。その中でもいちばん困ってしまうのがエアコンの効きが悪くなることで、そのままにしておくと、いつのまにか乗らなくなってしまう原因にもなる。実際に4040号もこれが原因で走行距離が伸びずにいたので、ここは一念発起でエアコンの大レストアを決意。
前回レポートした第2話では、ボンネットピンの交換をはじめ、アクセルワイヤー、そしてカピカピだったホース類を一気に交換した。アクセルワイヤーを交換したのは、アクセルペダルを踏んだにもかかわらず、いきなりエンジンブレーキがきいたような動きをするようになり、安心して運転に集中できやしなかったから。なのでワイヤー調整でごまかさず、新品交換に踏み切った。
順調にレストアプランが進行していたが、エアコンは相変わらず効かないまま。でも運転する分には問題ないので、2020年10月に開催された、国内最大規模のロードスター軽井沢ミーティングに、デモカーとして展示することができた。
イベント後に後泊して、群馬県にあるロードスターショップ「石井自動車」で事前のチェックをしてもらうことに。まずはボンネットを開けて、目視でわかるポイントをチェック。それから下回り、ブレーキまわりなどひととおり見てもらう。
「思ったよかひどくないかもな(笑)。本当にひどいの、いっぱい見てきてるからさあ・・・」と石井代表。
それでもサイドブレーキのワイヤー調整や、テールランプのバルブが切れていたので交換してもらった。後日再び訪れ、いよいよエアコンの交換作業へと突入。
さくっと新品エアコンに交換、のはずが雲行きが怪しく・・・
少しずつではあるが、快適に走れるようになった4040号。BBSホイール&アドバンタイヤで、走りも快適。エアコンもすんなり交換と思っていたが、いざ細かくチェックしていくと、エアコン以外であちこち気になるところが出てきた。
まずは基本中の基本、エンジンのプラグ。激しく真っ白でも真っ黒でもないが、長らく交換していなかったので、NGK製に交換。ついでにプラグコードも長期間使用しているので、新しいものに交換。同じタイミングで新品にできてよかった。
エアコン本体にアクセスするため、グローブボックスの下から覗き込むと見えてきたのがサブコンピューター。メインコンピューターにどこまで介入しているのか、いまいち理解できていない筐体を取り外す。と、ここで配線地獄を見ることになった石井代表。何しろ、雑誌の企画と称してセキュリティシステムをはじめ、リモコンドアロックシステムやサスペンションの減衰を手元でコントールできる機能など、必要の有無に関係なくあれやこれやと装着されてきたのだから。
これはさておき、肝心のエアコンはというと・・・。コンプレッションテスターにかけてみたが、とくに高圧側で反応しない。エアコンのスイッチを入れても、パイプが冷たくなるどころか作動音すらしないではないか。原因を追求して対処したとしても、次にどこかしら不具合が出てくるはず。家庭用エアコンだって10年使えば、相当疲労しているもの。それを20年以上も使えているだけ、クルマのエアコンってすごいのかも。
エアコンのエバポレーター(熱交換器)までテコ入れするのだから、「ダッシュボードが新品で手に入る今のうちに交換しとく?」そんな石井代表の甘言に乗っかって、結局4040号を預けていくことになった。おかげで?帰りはカメラマンのクルマに同乗することに。さて次こそは、エアコンの効くNA8Cになって戻ってくるはず。初代ロードスターレストア計画、エアコン編はとりあえず次で最終回。お楽しみに!