ゴルフヴァリアントの累計販売台数は300万台以上。ハッチバックと並んでフォルクスワーゲンを支える屋台骨だ。そんな重要モデルが新たな一歩を踏み出した。(Motor Magazine2021年10月号より)

1Lエンジンでも十分なパワーで運動性能も高い

走行中にアクセルペダルを戻していくと惰性で走るコースティング状態になる。アイドリングもしくはエンジンを停止することで燃料消費を抑えることができるのだ。これにより、先読み運転ができるドライバーほど良い燃費を記録できるだろう。

ブレーキペダルを軽く踏んでも、回生ブレーキが働きイオンバッテリーに充電。アクセルペダルを踏んだ時には、この電気を使ってエンジンのアシストをする。モーターの出力は9.4kW(13ps)、最大トルクは62Nmだから、BSGといっても想像以上に力持ちだ。

今回試乗したeTSIアクティブはミラー燃焼サイクルでインタークーラー付きバリアブルタービンジオメトリー(VTG)ターボの1Lエンジンだが、レスポンスも良く力強く走れる。もちろんパワー重視なら1.5Lエンジンだが、通常走行なら1Lでも十分ドライビングを楽しめる仕上がりだ。

ワインディングロードを走ると実はスポーティなハンドリングだということがわかる。ハッチバックよりホイールベースが長いにもかかわらず、積載時に合わせたのかリアサスペンションがしっかりしてアンダーステアが出にくい。

スタイリッシュでスポーティ。ステーションワゴンとして、新たなステージに上がったと言える。(文:こもだきよし/写真:永元秀和、小平 寛)

画像: 1Lの3気筒でもターボとマイルドハイブリッドで十分なパワーを発生する。

1Lの3気筒でもターボとマイルドハイブリッドで十分なパワーを発生する。

さらなる上質を求めるならば1.5LのeTSIスタイル

画像: 1.5L直4ターボ+48VマイルドハイブリッドシステムのeTSIエンジンを搭載。

1.5L直4ターボ+48VマイルドハイブリッドシステムのeTSIエンジンを搭載。

エンジンだけでなくリアサスペンションも4リンク化され、より上質な走りを狙ったのがeTSIスタイルだ。ステーションワゴンだけに、別の機会に試乗した1.5Lハッチバックとは印象がかなり違う。もっと落ち着いたしっとりとした乗り心地で、それでいてカーブでも踏ん張りの効く旋回性能も併せ持つ。フォルクスワーゲンの狙いが垣間見える仕上がりだった。(文:Motor Magazine編集部 阪本 透)

フォルクスワーゲン ゴルフ ヴァリアントeTSI アクティブ 主要諸元

●全長×全幅×全高:4640×1790×1485mm
●ホイールベース:2670mm
●車両重量:1360kg
●エンジン:直3 DOHCターボ+モーター
●総排気量:999cc
●最高出力:81kW(110ps)/5500rpm
●最大トルク:200Nm/2000-3000rpm
●モーター最高出力:9.4kW(13ps)
●モーター最大トルク:62Nm
●トランスミッション:7速DCT(DSG)
●駆動方式:FF
●燃料・タンク容量:プレミアム・47L
●WLTCモード燃費:20.4km/L
●タイヤサイズ:205/5516
●車両価格(税込):326万5000円

フォルクスワーゲン ゴルフ ヴァリアントeTSI スタイル 主要諸元

●全長×全幅×全高:4640×1790×1485mm
●ホイールベース:2670mm
●車両重量:1430kg
●エンジン:直4 DOHCターボ+モーター
●総排気量:1497cc
●最高出力:110kW(150ps)/5500-6000rpm
●最大トルク:250Nm/1500-3500rpm
●モーター最高出力:9.4kW(13ps)
●モーター最大トルク:62Nm
●トランスミッション:7速DCT(DSG)
●駆動方式:FF
●燃料・タンク容量:プレミアム・51L
●WLTCモード燃費:18.2km/L
●タイヤサイズ:225/45R17
●車両価格(税込):384万6000円

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