2021年7月13日、フォルクスワーゲン アルテオンシューティングブレークが日本市場にも投入された。「シューティングブレーク」は、貴族の狩猟用に改造されたクルマたちをルーツにもつ。近年、そのユニークなスタイルに着目したプレミアムブランドが相次いで新型車に採用したコンセプトでもある。(Motor Magazine2021年10月号より)

ワゴンの美点を巧みに採用したパッケージングの勝利

実は、ファストバックに対して優位だと思うのは前後席の居住性である。Bピラーより後ろは専用デザインで、ヘッドクリアランスは前席で11mm、後席で48mmも余裕が生まれている。成人男性の平均+アルファの体格である筆者が座っても余裕のある頭上スペースで、膝まわりも広々としている。人や荷物を載せるステーションワゴンとしての機能性は申し分なく、シューティングブレークを選ぼうかという人の期待にもしっかり応えている。

走りについても、同じ2Lの排気量ながらパサート系に設定されていない272ps/350Nm仕様の2.0TSIが搭載され、7速DCTと4MOTION(フルタイム4WD)を組み合わされる。ゴルフGTI並みのスペックといったほうが、その実力を容易に想像していただけよう。

画像: Bピラーより後半は専用デザイン。クーペともワゴンとも呼べない優雅なデザインの実車は一見の価値あり。

Bピラーより後半は専用デザイン。クーペともワゴンとも呼べない優雅なデザインの実車は一見の価値あり。

アダプティブシャシーコントロール「DCC」を標準装備する足まわりもアルテオンに相応しく、よりダイナミックな走りを楽しめるように味付けされている。ハンドリングもパサートと異なりいくぶん俊敏だが、あまり切れ味を鋭くしすぎていないあたりはフラッグシップにふさわしい味付けだ。

スポーツモードを選ぶと、ペダルレスポンスがより俊敏になってサウンドも派手になり、足まわりもひきしまって路面とのコンタクトフィールが高まるなど、あらゆるもののダイレクト感が増す。

日本に導入されたシューティングブレークは3グレード。パサートやゴルフ系のRラインにおいては可変レシオステアリングを採用して足まわりで差別化されていたが、アルテオンは共通。内外装や装備の好みで選べばよさそうだ。

ステーションワゴンの実用性を重視する人ならば、ゴルフヴァリアントやパサートヴァリアントで十分という人も多いだろう。もっとオシャレなワゴンがあるなら考えたいとか、ユーティリティを重視するが、ひと味違ったクルマに興味があるという人も少なくないはずだ。

写真で見るとパサートのヴァリアントをちょっとオシャレにしたクルマかな、くらいに感じるかもしれないが、実車の存在感はほかのフォルクスワーゲン車とはケタ違いだ。ひと目見ただけで惹きつけられるものがある。

本当かなと思ったならば、ぜひ実際に確認してみてほしい。(文:岡本幸一郎/写真:永元秀和)

画像: 272ps/350Nmを発生する専用仕様2.0TSIエンジンで力強い走りが楽しい。

272ps/350Nmを発生する専用仕様2.0TSIエンジンで力強い走りが楽しい。

フォルクスワーゲン アルテオン シューティングブレーク
TSI 4モーション Rライン アドバンス 主要諸元

●全長×全幅×全高:4870×1875×1445mm
●ホイールベース:2835mm
●車両重量:1720kg
●エンジン:直4 DOHCターボ
●総排気量:1984cc
●最高出力:200kW(272ps)/5500-6500rpm
●最大トルク:350Nm/2000-5400rpm
●トランスミッション:7速DCT(DSG)
●駆動方式:4WD
●燃料・タンク容量:プレミアム・66L
●WLTCモード燃費:11.5km/L
●タイヤサイズ:245/35R20
●車両価格(税込):644万6000円

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