「温故知新」の逆というわけではないが、最新のプジョー車に乗りながら、古(いにしえ)のプジョー車に思いを馳せてみたい。最終回となる今回は、日本で2022年に発売予定の新型308を眺めながら、300シリーズの歴史と、プジョーのこれからを考えてみよう。(タイトル写真は、上が新型308、下が1985年に発表された309)

300シリーズに「309」が突然登場した理由とは

308は、今回発表された新型で3世代目になる。この300シリーズを過去に遡ると、プジョーの車名は戦前の301以来、末尾の数字を世代を経るごとに2、3、4と増やしていたが、「8」に到達してからは末尾を8に固定したままモデルチェンジするようになっている。

プジョーの3ケタ車名モデルには100番台から600番台まであるが、欠番が少なく連綿と続いてきているのが、200番台とこの300番台だ。これはプジョーの屋台骨であることを物語っている。ただ、続いているとはいえ同じ300番台でも微妙に立ち位置を変えてきており、ざっくり表現すると2世代ごとに変化している印象である。

画像: 1969年に登場した戦後初の300シリーズ「304」は、オーソドックスな3BOXのセダンボディだった。

1969年に登場した戦後初の300シリーズ「304」は、オーソドックスな3BOXのセダンボディだった。

戦後最初の300番台は1969年に登場した304であるが、ひとクラス下の204のFFシャシと基本ボディを流用し、ひとまわり大型化した内容だった。ボディ形状は今と違って3BOXセダンだったが、当時は下位の204もセダンだった。304は204の兄貴分だったが、同時に上位の504の弟分であることも主張しており、フロントマスクは504に似ていた。

1977年に登場した305は、304の正常進化版そのものだった。それでもやや大型化しており、上位の505により近づいた印象だ。この進化は結果的に305の後継モデルにも影響し、当時欠けていた400番台をカバーするように405として1987年に登場している。

では300番台の後継はどうなったかというと、305と平行して実は309が1985年に追加されている。これは数字が物語るようにやや異端的な存在であり、元来は当時プジョーが傘下に収めていたタルボ ブランドの新型車と開発された。しかしタルボ ブランドの廃止にともない、プジョー 309として世に出ることになった。

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