「温故知新」の逆というわけではないが、最新のプジョー車に乗りながら、古(いにしえ)のプジョー車に思いを馳せてみたい。最終回となる今回は、日本で2022年に発売予定の新型308を眺めながら、300シリーズの歴史と、プジョーのこれからを考えてみよう。(タイトル写真は、上が新型308、下が1985年に発表された309)

これからのプジョーは、新型308の路線を踏襲するのか?

タルボの先代モデルにあたるタルボ オリゾンが、ひと足早く現代的なハッチバック ボディを採用していたので、それを継いで309もハッチバックで開発されたわけだ。309は205のメカニズムを流用しており、プジョーの中では205の兄貴分といえた。205にならって本格的スポーツ志向のGTIが設定され、ラリーでもけっこう活躍した。

画像: 2007年登場の初代308。307の基本ボディを活かしながらよりダイナミックな造形にしており、その意味では2代目308と新型308の関係に似ている。

2007年登場の初代308。307の基本ボディを活かしながらよりダイナミックな造形にしており、その意味では2代目308と新型308の関係に似ている。

309の後継にあたるのが306だ。ハッチバックボディであることからも、305よりは309の系譜を継いだというほうが違和感を感じない。もっとも306には3BOXセダンも存在したのだが、やはり主流はハッチバックだった。そして306 S16というスポーツモデルも設定され、ラリーでは専用モデルの306マキシが大活躍した。

王道のハッチバックとして2代続いた309、306だったが、次の307はまたちょっと立ち位置を変えて、ボディを大型化して車高も高め、当時のミニバン系モデルの流行を意識したようなものになった。その次の308(初代)も307のキープコンセプトで、この立ち位置で2世代が続いた。

そしてハッチバック王道路線に戻ってきたのが2代目308だ。趣旨替えをしてスポーツ志向も復活、GTI by プジョースポールというハイパワーバージョンも設定されていた。それを進化させたようなモデルが、今回の新型308だ。磨きをかけてこれだけスポーティで精悍なボディになったとなると、高出力のプジョー スポール エンジニアード(PSE)モデルの設定も期待してしまうが、果たしてどうなるだろうか。

新型308は、スポーツ志向、電動化、ADAS、デジタル化、そしてデザインなどが充実し、まさに最近のプジョーの戦略が凝縮されている印象だ。ちょっと話が早いが、今後のプジョー車のさらなる展開も楽しみになってくるところである。(文:武田 隆)

「プジョー今昔ストーリー」は今回で終了します。ご愛読ありがとうございました。

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