これからのプジョーは、新型308の路線を踏襲するのか?
タルボの先代モデルにあたるタルボ オリゾンが、ひと足早く現代的なハッチバック ボディを採用していたので、それを継いで309もハッチバックで開発されたわけだ。309は205のメカニズムを流用しており、プジョーの中では205の兄貴分といえた。205にならって本格的スポーツ志向のGTIが設定され、ラリーでもけっこう活躍した。
309の後継にあたるのが306だ。ハッチバックボディであることからも、305よりは309の系譜を継いだというほうが違和感を感じない。もっとも306には3BOXセダンも存在したのだが、やはり主流はハッチバックだった。そして306 S16というスポーツモデルも設定され、ラリーでは専用モデルの306マキシが大活躍した。
王道のハッチバックとして2代続いた309、306だったが、次の307はまたちょっと立ち位置を変えて、ボディを大型化して車高も高め、当時のミニバン系モデルの流行を意識したようなものになった。その次の308(初代)も307のキープコンセプトで、この立ち位置で2世代が続いた。
そしてハッチバック王道路線に戻ってきたのが2代目308だ。趣旨替えをしてスポーツ志向も復活、GTI by プジョースポールというハイパワーバージョンも設定されていた。それを進化させたようなモデルが、今回の新型308だ。磨きをかけてこれだけスポーティで精悍なボディになったとなると、高出力のプジョー スポール エンジニアード(PSE)モデルの設定も期待してしまうが、果たしてどうなるだろうか。
新型308は、スポーツ志向、電動化、ADAS、デジタル化、そしてデザインなどが充実し、まさに最近のプジョーの戦略が凝縮されている印象だ。ちょっと話が早いが、今後のプジョー車のさらなる展開も楽しみになってくるところである。(文:武田 隆)
「プジョー今昔ストーリー」は今回で終了します。ご愛読ありがとうございました。