ミッドサイズの人気SUV「Q5」にクーペスタイルを与えた「Q5スポーツバック」が登場した。美しく逞しいそのボディには、SUVに求められる実用性も妥協することなく詰め込まれている。

美しいエクステリアだが、車内空間は犠牲になっていない

最近のアウディは、ユーザーが好むツボを絶妙に突いたコンセプトで、仕上がりのいいモデルを投入している。クルマの売れ筋がセダンからSUVに変わりつつあるが、その中でもファストバックスタイルの人気が上昇している。今春登場した、Q5をベースに流麗なルーフラインを施し、2021年8月17日から日本で発売が開始されたアウディQ5スポーツバックもその1台なのである。

これはA5スポーツバック、A7スポーツバックで採用したルーフデザインの手法をSUVにも展開したものだが、Q5はeトロンスポーツバック、Q3スポーツバックに続くアウディのSUVスポーツバックの第3弾なのだ。

Q5スポーツバックのエクステリアデザインは、もちろんQ5のコンセプトを受け継いでいるが、シングルフレームグリル、ルーフ、前後バンパーなどはスポーツバック専用デザインになり、全体の印象としてはハッチバックより若々しく感じられる。Q5に装備されているルーフレールがないこともQ5スポーツバックのスポーティさを強調している。

画像: SラインとSQ5に標準で装備されるマトリクスLEDヘッドライトは、Sラインをベースにしている1stエディションには標準装備されている。

SラインとSQ5に標準で装備されるマトリクスLEDヘッドライトは、Sラインをベースにしている1stエディションには標準装備されている。

スタイリングが美しいQ5スポーツバックだが、クーペスタイルになったからといって室内が狭くなっているわけではない。全長4695×全幅1900×全高1660mmというスリーサイズは、Q5に比べて全長は+15mm、全幅は±0、全高は−5mm(標準サスペンション搭載車)だが前席の座面から天井までの高さは1059mmで同じ、後席はQ5の998mmに対して−16mmの982mmとなるが、その差はわずかで決して狭さは感じない。ラゲッジスペースの容量もQ5スポーツバックは510L、リアシートを畳むと1480Lもあり、Q5の520Lと1520Lに比べてもその差は小さい。スポーツバックのカッコ良さを確保しながら実用性も高いということだ。

Q5とQ5スポーツバックのグリーンハウスを比べると、リアドアの後ろの窓が四角形から三角形になり、見た目は狭くなったように見える。ところがシルエットで見るとルーフは高いまま後ろに流れているので、実質的にはリアウインドウの傾斜が大きくなった程度となり、Q5スポーツバックの居住区間や実用性は保たれている。まさにエクステリアデザインのマジックである。

Q5スポーツバックのテールゲートはボディ幅いっぱいまで広がっているため、開けるとテールライトも一緒に上がって見えなくなってしまう。そこで安全のためゲートが開いている時だけ点灯する赤色ライトがバンパーに仕組まれている。

ボンネットはフェンダーとの境目が目立たないように、切れ目はサイド側にするなどデザインコンシャスである。

画像: ラゲッジルーム側面にあるレバーでたためる後席シートバックは3分割式。長尺物を積む時に便利なセンタースルーにも対応している。

ラゲッジルーム側面にあるレバーでたためる後席シートバックは3分割式。長尺物を積む時に便利なセンタースルーにも対応している。

今回試乗したのは「Q5スポーツバック 1stエディション」である。Q5スポーツバックのグレードはアドバンストとSラインの2種類。アドバンストは、アウディで一番大きなSUVのQ8に採用されているものと同じ、グリッド形状のグリルにマットアルミルックの力強い垂直ラインを配したデザインを採用し、マトリクスLEDヘッドライトや19インチアルミホイールなどを含むプラスパッケージが用意されている。Sラインは、スポーツバック専用のアルミニウムルックインサート付きハニカムメッシュグリルで、マトリクスLEDヘッドライトは標準装備になる。さらに前後のLEDライトにはダイナミックインディケーター(流れるウインカーランプ)が内蔵されている。

新しいテクノロジーとして後続車へのアラート機能を持つ「マトリクスOLEDリアコンビネーションライト」が、試乗車の1stエディションとSQ5スポーツバックに標準装備される。この機能は、停止中に後続車が2m以内に近づくと超音波センサーが探知し、リアコンビランプのOLED(有機LED)光源の全セグメントが点灯して後続車のドライバーに注意を促すものだ。

インテリアはQ5と同じで、最新のインフォテインメントシステムMIB3を採用。10.1インチあるダッシュボード中央のモニターはタッチパネル式になり操作性が向上。ネットワーク接続はSIMカードではなく、eSIMで行われる。

画像: ディスプレイやスイッチ類を機能的に配置するQ5スポーツバックのコクピット。

ディスプレイやスイッチ類を機能的に配置するQ5スポーツバックのコクピット。

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