「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、トヨタ プリウスαだ。

7人乗りと5人乗りの重量差は意外と少ない

画像: パワーユニットは全グレード共通でプリウスと同じものだが、プリウスα向けに制御プログラムをチューンしている。

パワーユニットは全グレード共通でプリウスと同じものだが、プリウスα向けに制御プログラムをチューンしている。

プリウスαには3列7人乗りと2列5人乗りが設定されるが、これは単純にシートを1列増やしたというだけにとどまらない。プリウスでは、ハイブリッド用バッテリーはリアシート下に搭載しているが、3列シートにするとバッテリーの置き場がなくなり、これまでのニッケル水素バッテリーの積載は難しい。そこで、コンパクトで大容量の電気の出し入れが可能なリチウムイオンバッテリーを採用した。

プリウスαの7人乗りはセンターコンソール内にコンパクトなリチウムイオンバッテリーを搭載して3列シートを設置するスペースを確保。5人乗りはプリウスと同じ位置にニッケル水素バッテリーを搭載している。7人乗りはシートが増えたがバッテリーが軽量化されたため、5人乗りと7人乗りで車両重量の差は意外と少ない。

ツーリングセレクションではタイヤは215/50R17となり、段差などの乗り下げでの多少のバタつきと、凹凸での突き上げを感じるが、基本的な乗り心地はサイズの割りには良好で、バネ下の重さはほとんど感じられなかった。

ハンドリングはクイック感がおさえられ、ミニバンらしくハンドル操作に対して過敏に反応しない。それでいてハンドルを切りこんでいくとシッカリとグリップして、思ったとおりのラインをトレースしていく。このバランスの良さは、5人乗りでも7人乗りでも大きく変わらなかった。つまり、両車とも車両重量と重量配分が大きく違わないように作られ、どちらを選んでも1〜2列目の乗り心地やハンドリングに違いはない。

Gツーリングセレクションのスカイライトパッケージは樹脂製サンルーフになり、遮熱効果に優れて、しかも従来のガラスルーフより40%も軽い。重量増で重心高が上がり、ハンドリングにも悪影響を与える大きなガラスサンルーフに対し、この樹脂パノラマルーフのアドバンテージは高い。家族と出かけることが多いミニバンならではの快適装備で、予算が許せば検討してみてはいかがだろうか。

画像: こちらは、Sツーリングセレクション。2列5人乗りだが走りのバランスは3列7人乗りでも大きく変わらなかった。

こちらは、Sツーリングセレクション。2列5人乗りだが走りのバランスは3列7人乗りでも大きく変わらなかった。

■トヨタ プリウスα Gツーリングセレクション スカイライトパッケージ 主要諸元

●全長×全幅×全高:4615×1755×1600mm
●ホイールベース:2780mm
●車両重量:1490kg
●エンジン種類:直4 DOHC+モーター
●排気量:1797cc
●エンジン最高出力:73kW<99ps>/5200rpm
●エンジン最大トルク:142Nm<14.5kgm>/4000rpm
●モーター最高出力:60kW<82ps>
●モーター最大トルク:207Nm<21.1kgm>
●システム最高出力:100kW<136ps>
●トランスミッション:電気式無段変速機
●駆動方式:横置きFF
●JC08モード燃費:26.2km/L
●タイヤサイズ:215/50R17
●当時の車両価格(税込):330万5000円

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