世界的なSUVブームはまだまだ続いているが、国際的にはコンパクトクラス、でも日本ではミドルクラスに相当するSUV、ジープ コンパスとプジョー 3008。似た点も違った点も多い2台に試乗してみた。

スタイルもパワートレーンもコンベンショナルな、コンパス

画像: SUVとしては乗り心地が良く、初めて乗るインポートSUVとしてもオススメできる1台だ。

SUVとしては乗り心地が良く、初めて乗るインポートSUVとしてもオススメできる1台だ。

まずはコンパス。ジープブランドのSUVとしてはレネゲードの上に位置し、アメリカではコンパクトSUVと呼ばれているけれど、日本ではサイズ的にもパワートレーン的にもミドルクラスにあたるだろう。それでも、全長は約4.4m、全幅も約1.8mで、目線も高いから都会の街中で扱っても持て余さないサイズだ。

現行型の日本仕様は2021年6月にマイナーチェンジされ、スタイリングは新型グランドチェロキー(日本未導入)風になった。個人的には、初めて乗ったジープ(だったと思う)の2代目チェロキーを彷彿とさせる、スクエア基調でジープのアイデンティティを継承したスタイルは、新しさを感じないけれど長く付き合うには良さそうかなと思えた。

試乗車はトップグレードの「リミテッド」で、日本仕様では唯一の4WD(他はFF)だ。搭載されるエンジンは2.4L 直4の自然吸気SOHCマルチエア16バルブで、いまどき電気も過給器も使わないエンジンはなかなか貴重な存在。そのサウンドはけっこうスポーティで勇ましく、古さを感じられなくもないが、パワー的には十分だ。

組み合わされる9速ATとの相性も良く、80km/hでは8速で1700rpmくらい(9速には入らない)と、高速道路でも一般道でもエンジンのおいしいところをうまく使っている。今回は市街地と高速道路を中心に走行し、ラフロードを走る機会はなかったが、乗り心地はいたって普通。SUVとしては悪くない。

画像: マイナーチェンジでインテリアはデザインを一新。メーターパネルはフルディスプレイでセンターダッシュ上にはタッチスクリーンも備わる。

マイナーチェンジでインテリアはデザインを一新。メーターパネルはフルディスプレイでセンターダッシュ上にはタッチスクリーンも備わる。

少し高めの速度でコーナーに進入すると、背の高いクルマゆえにロールはそれなりにするけれど怖さを感じるレベルではない。ハンドリングは意外と悪くない。アダプティブクルーズコントロールをはじめとする先進運転支援システムは使い方にコツがあって慣れを要するとか、渋滞時の再発進でブレーキ解除のショックが少し大きいとか、いかにもアメリカンな鷹揚さを感じさせるところもある。だが、それもジープらしさ、ひいてはアメリカ車らしさなのかもしれない。

リアシートはけっこう広く、大人ふたりなら余裕で座れるし、長距離でなければ3人乗車でも苦にはならないだろう。ラゲッジスペースもタップリしている。

街中でも扱いやすいサイズのインポートSUVで、人と違ったクルマが欲しい。けれど、あまり奇をてらったスタイルは避けたい、というなら、このコンパスは選択肢のひとつに入るだろう。

画像: 日本仕様のコンパスにはFFのロンジチュードとスポーツも設定されるが、トップグレードのリミテッドは外観にクロームパーツが多い。

日本仕様のコンパスにはFFのロンジチュードとスポーツも設定されるが、トップグレードのリミテッドは外観にクロームパーツが多い。

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