ランボルギーニ ウラカンのニューバージョンとして2020年秋に発表された「STO」の試乗会は、そのパフォーマンスを存分に試せるように(?)富士スピードウェイで開催された。640馬力のハイパワーを堪能した佐藤久実レポーターのインプレッションをお届けしよう。

レーシングカー由来のロードゴーイングカー

ランボルギーニ ウラカンSTOの車名は、「Super Trofeo Omologata」の頭文字をとったもの。つまり、ランボルギーニのワンメイクレース「スーパートロフェオ」を走るウラカン スーパートロフェオ EVOのホモロゲ版、公道仕様ということだ。あまりにもレーシーなルックスは、「これ、ホントに公道走っていいの?」と思ってしまうほど、合法ギリギリで公道を走れるようナンバープレートをつけたクルマという感じ。リリースをみても、デチューンされた印象はない。

ちなみに、日本では「Nゼロ」というナンバー付きレースカテゴリーがあるが、これは市販車をベースに安全装備などをつけてレース仕様としているもの。だが、ウラカンSTOはレーシングカー由来のロードゴーイングカーで、発想はまったく逆だ。

さて、ランボルギーニといえば空力性能と軽量化が特徴だが、もちろんウラカンSTOも例外ではない。ボディの75%以上にカーボンファイバーを使用。フォルムを見れば空力に優れることは一目瞭然だ。前回、同じく富士スピードウェイで試乗した「ウラカン ペルフォルマンテ」のパフォーマンスがインパクト絶大だったのだが、今回のSTOは空力効率が37%も向上し、車両重量は43kg軽量化されているという。

画像: STOでは空気の流れを最適化するため、ベース車であるウラカンの輪郭に改良を加えてエクステリア デザインを一新している。

STOでは空気の流れを最適化するため、ベース車であるウラカンの輪郭に改良を加えてエクステリア デザインを一新している。

リアミッドシップのV10エンジンは、最高出力640hp/8000rpm、最大トルク565Nm/6500rpmを発生。凄まじいパワー&トルクだが、これを後輪2輪のみで駆動するというから、ちょっとドキドキしてしまう。そしてもちろん、ストッピングパワーもこれに見合ったブレンボ製のCCM-Rブレーキシステムが採用される。

試乗の1スティント目は、このブレーキパフォーマンスに着目してくださいとのインフォメーションがあったが、それ以前に加速のパフォーマンスに度肝を抜かれた。低いギアでは路面を蹴り上げるような強烈なトラクションがあり、高速では空気を切り裂きながらどこまでも加速していく感覚だ。先導車をフォローする試乗で、メインストレートではパナソニックゲートでアクセルを緩めると事前に説明された。1コーナーのブレーキングに対しては、かなり安全マージンを取った走りとなる。

そのゲートのあたりでスピードメーターは285km/hくらい。3段階調整できるリアウイングはハイダウンフォース仕様となっているが、この時点でまだまだ加速は続き、スピードメーターの表示もスルスルと上がっていたので、カタログ表示の最高速310km/hは実際に出るだろう。そして何より驚くべきは、これだけハイスピードで走行しながら、安心して走れるスタビリティの高さだ。

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